介護タクシー開業に必要な8つのポイント完全網羅!

最近街で介護タクシー(福祉タクシー)を見かけるようになりました。

  • 自分も開業できる?
  • 開業する方法は?予算は?
  • 許可とか必要なの?どこに取りに行くの?
  • そもそもどんなサービスなの?

増えてきたといえ、知名度の低いサービスなだけに、知らないことだらけだと思います。貨物運送や建設業なんかは本屋に行けば本がありますが、介護タクシーは全く書籍がありません。

実は介護タクシーに介護の許可はいらないです。運送業の許可があれば殆どのことが可能です。

この記事を最後まで読むと、介護タクシーの事業の概要や、開業のために必要な資格、必要な許可、許可を取るために必要な人員、物件、資金等がわかります。

スムーズな許可を取る方法を、介護タクシー(福祉タクシー)専門行政書士が徹底解説させて頂きます。

介護タクシーの概要:介護タクシーは運送事業である

介護タクシーとは、介護事業と思われがちですが、実は運送事業です。

なぜなら、介護タクシーを始めるには、運送業の許可は必要ですが、介護事業の許可は必要ないからです。

介護保険を適用させたい場合は、介護事業を別に始める必要がありますが、介護タクシーのみを始めるにあたっては介護の許可は必要ありません。

・介護タクシーは介護事業者と連携すると良い

介護タクシーは下記の利用者を乗車させることが出来ます。

  • 要支援者
  • 要介護者
  • 障がい者
  • その他公共交通の利用が困難な人
  • 消防署やそのコールセンター等から紹介された人

乗客が限定されるので、宣伝も上記の利用者が利用している施設等に行うだけで良いので効率が良いです。

主に下記の施設に宣伝すると良いとされています。

  • 病院
  • 介護施設
  • ケアマネージャー
  • 同業の介護タクシー事業者

特に今介護タクシーは何処も足りていないので、同業に開業の挨拶に行くと、回しきれない仕事を回してくれたりします。

このように、新聞の折込などで不特定多数に宣伝するより、病院や介護関係の施設に宣伝をかけて紹介をして貰ったほうが、効率よく利用者が増えます。

介護タクシーの開業に必要な資格はたった1つ

介護タクシーの開業に絶対に必要な資格は「ニ種免許」のみになります。

どんな形態で開業をするにも、運送業なのでニ種免許は必ず必要です。運転手になる人はかならず取得して下さい。

尚、車いすやストレッチャーを乗車させ、固定する設備がついている「福祉自動車」で始める場合は、介護系の資格は必須ではありません。

尚、二種免許の受験資格については下記の記事もご参照下さい。

【事業主必見】介護タクシー法改正情報│最短19歳で2種免許が取得可能

条件が変わると必要資格が増える

・福祉自動車でない普通の乗用車で始めたい場合

介護系資格が必須となります。介護初任者研修(旧ヘルパー2級)等が必要です。

・営業車が5台を超える場合

介護タクシーは1台から始められ、4台までは楽に増やせますが、5台以上になると

  • 運行管理者に運行管理者資格
  • 整備管理者に整備士資格

上記の資格を持っている人が必要になります。

両方とも、実務経験がないと取得が難しいので、計画して増車していく事が必要です。

【開業前必見】介護タクシーに必要な資格リスト8選・取得方法・時間と予算

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介護タクシーを開業するための最低人数条件

介護タクシー開業に必要な最低人数は2人です。

介護タクシーには下記の主要4役が必要です。

ただし、4人必要というわけではなく、うちいくつかは兼任が可能です。

この中で、運転手を管理する役目の「運行管理者」と「運転者」は、兼任が不可能となります。

「整備管理者」と「指導主任者」は誰がどう兼任しても構いません。

つまり最低人数は2人いればいいということになります。

介護タクシー開業に不可欠な人員とは?業務内容を詳しく解説

運転者

必要資格:ニ種免許

役割:運転を行う。利用者の乗降を介助する。

兼任不可:運行管理者

営業車を運転し、乗降の介助を行う現場を担う役割です。

【開業前必見】介護タクシー「運転者」の必要資格・役割

運行管理者

必要資格:5台以上・運行管理者資格
     4台以下・特になし

兼任不可:運転者

役割:運転者を管理する、出発記者時に点呼を行い記録する、運転者を運転に出させてもいいかどうかの健康状態等も判断する。

営業車が4台以下であれば、運転者以外は誰でもなることが出来ます。

【介護タクシー運営者必見!】運行管理者の選任方法と役割を詳しく解説

整備管理者

必要資格:5台以上・整備士資格
     4台以下・特になし

兼任不可:なし

役割:自動車を整備・管理し記録する。

【開業前必見】介護タクシー「整備管理者」の選び方・役割

指導主任者

必要資格:なし

兼任不可:なし

役割:指導要領に則って運転者はじめ全体を指導する役割。
   運転者でない人を推奨される。

兼任不可が無いポジションではありますが、近畿では最低人数が2人となるので、運輸局から「運転者でない方の人で」という風に勧められます。

特に運転者を指導する事が多い分、運行管理者と兼任する事が多いです。

【開業前必見】介護タクシー「指導主任者」を選ぶ方法・必要資格

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介護タクシーの開業に必要な設備の条件

介護タクシーの開業に必要な設備は下記の4つになります。

介護タクシーで許可が下りる営業所

営業所は自宅兼営業所も許されています。その場合

  • 入口からプライベートスペースを通らないで営業所へ行ける
  • 部屋として仕切られている
  • 常識的な広さがある
  • PCやプリンター、電話等の必要最低限の設備

この辺りが目安となります。

【開業前必見】介護タクシー「営業所」の物件。選び方・許可の要件

介護タクシーで許可が下りる休憩所とは

休憩所については、営業所のスペースに余裕があれば、その一角をパーテーション等で仕切ってソファを置くなどで許可が下ります。

パーテーションは、男性が立って向こうが見えないくらいの高さが必要です。

面積の条件はありませんが、常識的な広さが必要です。

介護タクシーと同時に民間救急の営業も考え、24時間体制を考えている場合は、ベッドの設置、それに伴う大きめの面積を求められる場合があります。

【開業前必見】介護タクシーに必要な「休憩所」を簡単に確保する方法

介護タクシーで許可が下りる車庫

介護タクシーは運送業なので、車庫については、通常の駐車場より少し要求が多めです。

  • 営業車の全長全幅より広い
  • 水道がある
  • 営業所から2km以内
  • 前面道路が狭すぎない
  • 入口接道2m以上

上記の条件を満たしている事が必要です。探す場合は、上記の条件を不動産屋さんに伝えて探してもらうとスムーズです。

水道の付いた駐車場を探すのはなかなか困難ですが、その場合は近辺のガソリンスタンドで水道を貸してもらう契約をすればOKです。

ガソスタのオーナーさんに、使用承諾書を一筆頂いておきます。

【開業前必見】介護タクシーの「車庫」の選び方・許可の条件

営業所・休憩所・車庫を決めるのに必要な共通の条件

営業所や休憩所、そして車庫が建物の場合は下記の4本の法律に触れていない必要があります。

簡単に言うと、「違法建築ではなく、建物を立ててはいけない土地にたっておらず、消防設備がちゃんとしている」という事です。

借りる予定の建物が、凄く古い建物である、増改築を繰り返してそう、事業用として使われていない民家であるみたいな時は、不動産屋さんに上記4法の確認をお願いしてみましょう。

介護タクシーで許可が下りる営業車

介護タクシーは普通の乗用車でも許可は下ります。ただし、普通の乗用車だと取得資格が増えたり、優遇が受けられなくなります。

介護タクシーは福祉自動車での開業が推奨されており、優遇もあります。福祉自動車で開業することをお勧めします。

福祉自動車の条件は下記のようになります。

  • 車いす、ストレッチャー等が乗降できる設備がある
  • 車いす、ストレッチャー等を固定できる設備がある
  • 車いす等の専有面積が1/2を超えている
  • 折りたたみ椅子を展開する1/2以下になる場合はNG

これらの条件を整えると、車検証に「車いす移動車」と書かれ「8ナンバー(特種用途自動車)」が頂けます。

福祉自動車でないと、運転者に介護系の資格が必須になり、取得資格が一つ増えます。

福祉自動車だと、税金や任意保険が安くなる、駐車禁止除外標章が貰いやすくなる等の特典もありますので、購入時に自動車ディーラーに確認をする事をお勧めします。

【開業前必見】介護タクシーの「営業車」を間違えず選ぶ方法

今持っている物件で許可が取れるのか知りたい!今から集める場合、どんな物件が許可が通るか知りたい!等の場合は下記のメールフォーム、LINEまで「初回無料相談希望」と明記の上、お気軽にご相談下さい。

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介護タクシー開業に必要な開業初期資金の条件

介護タクシーに必要な初期コストは300~600万程度です。

この差額は、自動車を一括購入するかローンやリースにするかの違いになります。

介護タクシー車両、ローンorリース比較詳しくはコチラ!

介護タクシーは、許可のために資金の条件があり、銀行の残高証明の提出を求められます。

1回目:申請日と同日の残高証明
2回目:法令試験合格後、指定日の残高証明

許可だけに必要な資金になると、もう少し減りますので、ミニマムだと200万切る例もあります。

ただ、当面の生活費や、許可には必要なくても業務に必要な物もありますので、+100万くらいは見ておくとちょうどいい額になります。

【開業前必見】介護タクシー許可が取れる最低限の資金内訳公開

介護タクシーは法人、個人事業、どちらでも開業出来る

訪問介護等の介護事業は、法人でないと開業の許可が下りませんが、介護タクシーは個人事業主でも開業の許可が下ります。

ミニマムスタートが切れるのが介護タクシーの良い所ですので、まずは個人事業主からという選択も大いにありです。

介護タクシーを個人で開業した時の経費、売上シミュレーション
介護タクシーを法人で開業した時の経費、売上シミュレーション

介護タクシーは介護保険が適用できない事業者が多数

介護タクシーの事業者の殆どは介護保険を適用出来ないです。

介護保険を介護タクシーに適用させるには、

  • 介護タクシーの運送業許可
  • 訪問介護等の介護保険事業者の指定

上記2つを同時に受けている法人である必要があるからです。

訪問介護事業者がサイドビジネスとして始めた介護タクシー等、ごく少数の事業者くらいしか適用出来ない状態です。

介護保険を介護タクシーに適用させるために、法人を設立し、人を2.5人雇い、介護事業を始めるのは現実的ではなく、ほとんどの介護タクシー事業者は利用者自費です。

介護保険が適用できないから、競合で不利になるという事はほぼ無いと思って下さい。

【開業志望必見】介護タクシーの概要│介護保険は?開業へのハードルは?

介護タクシー開業までの流れ

ここまで集める事が出来たら、運送業の営業許可申請へ進んで下さい。

その後の流れは下記のようになります。

graph TB A[運輸局へ許可申請]-->B[法令試験を受ける]-->C[許可が下りる<br>許可証をもらう]-->D[登録免許税を払う]-->E[車両を本契約して購入]-->F[車両登録車検を受ける<br>営業ナンバーの取得]-->G[タクシーメーター取付<br>損害賠償保険に加入<br>ウェブサイト名刺チラシなどを作成<br>運輸開始への準備を進める]-->H[運輸開始]-->I[運輸開始30日以内に運輸開始届]

書類を作って申請を行います。申請書は添付資料を合わせると、約1cm程度の書類の束になり、それをファイリングして提出します。

その翌月の法令試験を受けることになります。

法令試験に合格すると書類の審査が始まります。

大まかに申請から許可まで2ヶ月かかりますので、2ヶ月かかると思って計画を立てておくといいです。

運輸開始届についても、かなりのボリュームの書類になります。

これが面倒、作れる気がしない等の場合は、弊所で営業許可申請書・運輸開始届の作成を承っています。物件、人員が許可に通るか等のチェック段階から行っております。

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効率よく必要な人・物・金を集めたい、後何を集めればいいか知りたい場合

こんなにも揃える物が多いの?どれから取り掛かったらいいの?ちょっと先が見えなくて気が遠くなりそうになったかもしれません。

お任せ下さい。何が必要か、弊所でリスト化しています。ヒヤリングを行い、何が足りなくて何ををこれから集めるのか明確にし、許可取得までのロードマップをお示しします。

以降、開業まで弊所と事業所様での二人三脚、経営案件と書類案件に分けて手分けして開業まで最短ルートで辿り着きましょう。

介護タクシーの1台当たりの平均売上は50万とも言われていますので、1ヶ月早く開業できれば、将来の50万の売上がその分早く確保できます。

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