介護タクシーの必要資格

介護タクシーを開業するに当たって、何か資格が必要なのだろうかと思い「介護タクシー 資格」などと調べてみたりしたことはありませんか?

  • 介護系の資格が必要?
  • 介護タクシーは白ナンバーでもいいって噂を聞いたけど?
  • 運行管理者って何?
  • 整備の人を雇わなければならないの?
  • 資格を取るのにどれくらいの時間がかかるの?

弊所では主に上記のような質問をよく頂きます。

実は介護タクシーは、小規模で開業する場合に必要な資格はニ種免許だけになります。

ただし、目指すべき規模や形態が変わると必要資格が増える場合があります。

ではどの様な形態の時に、どの様な資格が必要になってくるのでしょうか。大阪で介護タクシー(福祉タクシー)開業運営を専門としている行政書士が徹底解説します。

この記事を最後まで読むと、介護タクシーに必要な資格が規模別、状況別でわかります。

介護タクシーに資格が必要なのは営業許可のため

介護タクシーに資格が必要な理由は主に2通りになります。

  1. 無いと営業許可がそもそも通らない資格
  2. 無くても許可は下りるが知識が役に立つ、無いと不安な資格

1については、何をおいても「二種免許」になります。どんな形態で開業するにしても、二種免許は必須です。

5台以上で始める、または増車して5台以上になる時には「整備士」と「運行管理者資格」が必要になります。これがないと開業や増車が認められません。

2については、介護業界以外の方が介護タクシーを始める場合に「介護職員初任者研修」を受けて、介護の基礎を身につけるパターンがあります。

介護職員初任者研修については、130時間に10万円前後の予算となりますが、介護業界に飛び込む不安を和らげるだけの知識量は頂けます。

介護タクシーの開業に必要な4つの役職と必要資格

介護タクシーを開業するには、申請書の4つの役職に誰かしらの名前を記入する必要があります。4つの役職は以下の通りになります。

運転者

ニ種免許証が必ず必要です。

ニ種免許については、運送業になるので絶対に必要になります。逆に言うと2種免許保持者を見つけることが出来れば、その後の事はかなりスムーズになると言えます。

運転者について詳しくはコチラ!

運行管理者

営業車4台までは無資格でOKです。営業車5台以上だと「運行管理者資格」が必要です。

介護タクシーの場合、大体1~2台から始めるパターンが多いですが、その場合は誰でもなれます。

ただし「運転者」に就いている人はなれません。兼任不可になります。

運行管理者について、詳しくはコチラ!

整備管理者

営業車4台までは無資格でOKです。営業車5台以上だと「3級以上の整備士資格」が必要です。

介護タクシーの場合、大体1~2台から始めるパターンが多いですが、その場合は誰でもなれます。

点検だけ自分で行い、実際の整備は整備工場に外注しても構いません。

指導主任者

資格は必要ありません。

運転者、運行管理者、整備管理者を指導する役割なので、指導力が高い(社長やそれに準ずるポジションの方)が望ましいです。

介護タクシーの必要取得資格・事業形態別

福祉自動車1台~4台で開業の場合の必要資格

みんなのイメージする介護タクシー
福祉自動車

福祉自動車とは下記の物になります。

・福祉自動車
車椅子若しくはストレッチャーのためのリフト、スロープ、寝台等の特殊な設備を設けた自動車、又は回転シート、リフトアップシート等の乗降を用意にするための装置を設けた自動車。以下「福祉自動車」という

国土交通省通達 国自旅第169号より引用

福祉自動車1台で一番ミニマムな開業になるでしょう。必須資格は下記のようになります。

人数2人
必要資格第二種運転免許
努力目標下記の介護系資格どれか1つ

2,福祉輸送自動車に乗務する運転者等
(1)福祉輸送自動車のうち、福祉自動車に乗務する者は以下の①~⑤のいずれかの条件を満たすよう務めなければならない。

①社団法人全国乗用自動車連合会等が実施するケア輸送サービス従事者研修を終了していること
  (以下「ケア輸送サービス従事者研修」という)

②財団法人全国福祉輸送サービス協会が実施する福祉タクシー乗務員研修を修了していること。
③介護福祉士の資格を有していること
④訪問介護員の資格を有していること→介護職員初任者研修へ
⑤サービス介助士の資格を有していること。

国土交通省通達 国自旅第169号より抜粋

①②は廃止、④は名前が変わりました。これらの資格は努力目標です。なくても許可は通ります。

介護タクシーは運送業ですので、必ず1人以上2種免許を持っている人と、緑ナンバーの営業車が必要です。

ミニマム開業する場合は、運転する方がニ種免許持っていれば、後は特に何もいりません。介護系の資格についても努力目標なので、最悪開業してから取っても有りです。

車が1台でも、人数は2人必要です。近畿運輸局管轄内では、運行管理者と運転者は同一人物が行なってはいけません。

自動車ニ種免許の取得方法

セダン型等乗用車1台~4台で開業の場合の必要資格

セダン型タクシー
セダン型
最低人数2人
必要資格第二種運転免許
下記の介護系資格どれか1つ

福祉自動車以外のセダン型等の一般車両に乗務する者は、以下の①~④のいずれかの要件を満たさなければならない。

① ケア輸送サービス従事者研修を修了していること。
② 介護福祉士の資格を有していること。
③ 訪問介護員の資格を有していること。→介護職員初任者研修へ
④ 居宅介護従業者の資格を有していること

国土交通省通達 国自旅第169号

①は廃止、③は名前が変わりました。

セダン型とはつまり福祉自動車以外の乗用車の事です。ストレッチャーや車いすを乗車させる設備がついていないあくまで一般的な乗用車です。

弊所でもまだ、一般セダン型乗用車での開業に関わった事はありません。

ただ、介護のスキルが有れば一般乗用車でも開業が出来ます。ただ、多くの優遇措置が無くなる事と、体力的にも負担が大きいので、役所でも弊所でも福祉自動車での開業をお勧めしています。

上記のようになります。介護系の資格が必須に変わりますので、取る資格が一つ増えます。

自動車ニ種免許の取得方法
介護職員初任者研修の取得方法

5台以上の営業車を扱う場合の必要資格

人数6人
運転者第二種運転免許
セダンの場合介護系資格一つ
運行管理者運行管理者試験合格
整備管理者3級~1級自動車整備士
または2年の実務経験+研修
義務社会保険加入

5台に増やす場合「運行管理者」「整備管理者」に有資格者が必要になります。

運転者の必要資格は変わりませんが、運行管理者は運行管理試験に合格した人、整備管理者は、整備士資格を持っているか、実務経験を持って研修を受けた後の人が居ないと、5台目を増やせません。

さらに5台ということは、運転者5人に運行管理者で最低でも計6人になります。

つまり、うちどれかを事業主がやるとすると使用者1人に従業員5人となり、個人事業で常用する従業員が5人を超えると、個人事業主の場合でも社会保険加入義務が発生します。

4台までは割と楽に増やせますが、5台目へのハードルはかなり高いと考えて下さい。

運行管理者資格の取得方法
整備士資格の取得方法

法人で介護タクシーを開業する場合は社会保険加入義務

個人事業から始めて徐々に増やしていくパターンの場合は、5台以上にする時に法人化をする事を視野に入れるといいかもしれません。

法人の場合も、必要資格については特に変わりませんが、唯一変わることは、従業員が1人以上で社会保険加入義務が発生します。

運転者が代表、運行管理者の人が役員などの体制なら加入義務はありませんが、どちらかが従業員ということであれば、いきなり社会保険加入が義務となります。

当然ながら法人設立のための定款作成、法人登記が必要となり、開業申請についても出す書類が少し増えます。

弊所の関与の例では、法人で開業する場合は既に何かしらの事業を行っている上での介護タクシーの開業が多く、既に社会保険に加入しているパターンが殆どとなっております。

因みに、法人化したい場合営業許可はどうなるかというと、まず株式会社などの法人を作り、作った法人に個人から事業譲渡を行うという形で営業許可も含めて引き継ぐことができます。

介護タクシーを法人化する手続き、詳しくはこちら

法人になったら営業許可を一から取り直すという事はありません。

介護タクシーの開業に福祉系の資格は必須ではない

上記の通り、介護系の資格は必須ではありません。

これについては調べている方も多く、問い合わせも多くいただきます。

思いつく限り、下記のような資格があります。

  • 介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)
  • 介護福祉士

福祉自動車で開業の場合、努力目標は課せられていますが、リスト、スロープ、車いす等固定機能付きの福祉車両の場合は必須ではありません。

ただ、介護畑からの参入の場合は、人の体の扱いに抵抗がなく、参入のハードルはさらに下がります。

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弊所の例では、介護職以外からの介護タクシー参入の場合、必要がなくとも知識のために「介護職員初任者研修」について受講される方が多く見られます。介護の知識はそれだけ有用となります。

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介護タクシーに必要な資格の取得方法

ここまでで、介護タクシーの必要資格を条件別に紹介しました。では、必要資格を取得するにはどうしたら良いでしょうか。

結構簡単に取れる物から、結構な量の研修を受けさせられる物まで様々です、これらを一通り見て、最短距離を目指していきたいものです。

因みに、これらすべてなければ介護タクシーを開業できないということはありません。

状況や規模に応じて必要資格が増えていきます。開業しながらでも取得できますので、規模拡大のスケジュールに合わせて揃えていくのもいいかもしれません。

介護タクシーに絶対必須「第二種自動車運転免許」取得方法

受験資格21歳以上
運転歴3年以上(停止期間除く)
予算20万前後
所要時間合宿で8日、通学で20日前後
試験頻度随時

通称二種免です。これだけは絶対に必須です。試験場一発勝負という手もありますが、合格率は10%前後だそうです。よほど自信のある人でない限りお勧めはできません。

通常カリキュラムだと40時間です。

介護タクシーは運送業になりますので、1人以上二種免許の保持者を雇用している必要があります。

二種免許の良いところは、試験が随時やっているので、任意のタイミングで受けに行くことができます。試験が年一回の資格などはなかなかタイミングが大変です。

【事業主必見】介護タクシー法改正情報│最短19歳で2種免許が取得可能

ニ種免許は(取得見込み)でも営業許可がおりる

二種免許は開業時には必須ですが、許可申請の時に持っていなくとも許可がおります。

申請書には、運転者が「取得見込み」でも許可に差し支えはありません。運輸局で申請を行い、許可が下りるまでは2ヶ月かかりますので、審査中に取得するには充分時間があると言えます。

ただし、許可が下り、運輸開始までには必ず取得しておく必要があります。ニ種免許がないまま運輸開始してしまうと、無許可営業となってしまい、懲役罰金というかなり重たい刑になってしまいます。

審査中の2ヶ月の待ち時間について、無駄にしたくないという場合は上手にスケジューリングすればこの時間を有効活用出来ます。

営業車5台以上で必須「運行管理者資格」取得方法

受験資格運行管理者の実務経験が1年以上
または運行管理者の基礎講習を修了している(16時間)
予算6,800円
必要時間90分
試験頻度年2回(8月、3月)

営業車5台以上になると、運行管理者に資格が必要です。営業車4台までは資格が必要なく、誰でもなれます。

運行管理者資格は、下記の手順で取得することが出来ます。

  • 5年の運行管理実務経験と、その間に所定の講習を5回受ける
  • 1年の運行管理実務経験の上で運行管理者試験を受ける
  • 運行管理者基礎講習を受講し受験資格を得て、運行管理者意見を受ける

早ければ1年以内にも取れますが、5年待てば無試験でも資格が取れます。増車の計画に従って計画的に取りたいです。

基礎講習は、各教習所で随時開催されているので、問い合わせて予定に合わせて受講して下さい。

【介護タクシー運営者必見!】運行管理者の選任方法と役割を詳しく解説

営業車5台以上で必須「3級整備士」取得方法

受験資格中学以上卒業
自動車整備実務1年以上
予算9,000円
時間学科60分、実技30分
試験頻度年二回
学科10月、3月
実技1月、8月

営業車5台以上になると、整備管理者に整備士の資格が必要になります。何級でもいいですが、一番簡単な物が3級になります。

受験資格に実務経験が必要です、このために自動車整備工場で1年働くのは現実的ではありません。

こればかりは、整備士経験がある方を雇う方が近道かもしれないというのが正直な所です。

【開業前必見】介護タクシー「整備管理者」の選び方・役割

ケア輸送サービス従事者研修の修了

・廃止

法律に書き込んでいるのにも関わらず廃止です。受講者激減だそうです。

福祉タクシー乗務員研修の修了

・廃止

ユニバーサルドライバー研修という名前の別の研修に変わっていますが、その資格が介護タクシーの資格を満たすという情報はないので、暫く様子見です。

介護福祉士の資格の取得方法

受験資格3年以上の介護職実務経験と、実務者研修の修了(450時間)
予算受験費用15,300円
登録免許税9,000円
登録手数料3,320円
時間学科午前90分 午後90分
1部研修の受講を満たしていない人は実技試験あり
試験頻度年一回、学科1月、実技3月

福祉自動車ではない、一般乗用車セダン型で開業できるようになります。

3年の実務経験が必要なので、元々持っている人が利用するのか、またはそういう人が関係者に居たら雇用する方がいいでしょう。

介護タクシー開業のためだけにこの資格を取りに行くのはちょっとコストパフォーマンスが悪すぎます。

介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の取得方法

受験資格特になし
予算5万~13万
(スクールによる)
時間130時間
(2~3ヶ月)
試験頻度資格予備校など、どこかしらでやっている

福祉自動車ではない、一般乗用車セダン型で開業できるようになります。

セダン型で開業する場合、一番取りやすい資格がこれになります。一番取りやすくても130時間(2~3ヶ月)かかります。

多少時間がかかっても、乗用車で開業したい場合は長期スパンで考えて計画に取り入れるのもいいかもしれません。

尚、福祉自動車で開業する場合でも介護の基礎知識の取得のために、この研修を受ける方が多い人気研修となります。

サービス介助士の資格の取得方法

受験資格社会人、大学生、専門学校生など
予算44,800円
時間学科は通信、時間は任意、課題提出
実技は2日、1日オンライン、1日会場
検定あり、合格で資格取得
試験頻度学科の課題提出は随時
実技は大阪については月5回

努力目標の資格で、一番お手軽に取れるのがこれになります。介護の基礎的なことになりますので、事業をやりながらとるならこれがいいかもしれません。

介護タクシー必要資格を取得するためのスケジュール

資格は今日試験を受けて明日取れるようなものがなかなかありません。

勉強のための時間、試験の日程、研修のカリキュラム時間、必要教習時間など、時間がかなり必要になります。

二種免許40時間(合宿8日、通い20日目安)
運行管理者年2回(1年の実務経験or16時間の研修あり)
整備士年2回(1年の実務経験)
介護福祉士年1回(実務経験3年に加え研修450時間)
介護職員初任者研修130時間(2~3ヶ月)
サービス介助士4日+オンライン学習
  • 開業時にはニ種免許。
  • 5台以上に増車する場合は運行管理者と整備士。
  • セダンで開業する場合は介護福祉士か初任者研修

が必要になります。二種免許や初任者研修については随時取得出来ます、カリキュラム時間だけ計算して取得しましょう。

整備士、運行管理者については年2回しか受験チャンスがないので、5台以上に増車したい場合は試験日も計算に入れてスケジュールを組みたいです。

サービス介助士については、努力目標資格なのでマイペースで取得でOKです。

介護福祉士については、介護タクシーのために取るような資格ではないので、既に持っている人が活用をする方向で考えた方が良いです。

開業計画の規模に応じた必須資格を知りたい時は

介護タクシーの開業を検討しているが

  • 1台から始めたい
  • 最初から5台用意して始めたい
  • まずはセダン型で始めたい

等いろんな形での開業がありますが、この場合の必要資格がどれとどれなのか、わからない場合は是非ご相談下さい。

最短時間で開業したい!必要のない資格は後から取る!という場合は、弊所よりロードマップを提案させて頂きます。これについては専門の行政書士が直接対応させていただきます。

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まとめ

  • 二種免許は運転する人全員必要
  • 福祉自動車にすると必要資格が減る
  • 5台以上にする時に必要資格がかなり増える
  • 介護系の資格は開業携帯により必須ではなくなる

下記に当てはまるなら「初回無料相談」ご検討下さい

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