介護タクシーの収支を徹底シミュレーション!法人編

当HPをご覧になる方で検索されてくる最も多いワードが「介護タクシー 廃業率」という物です。

真剣に介護タクシー(福祉タクシー)業務に取り組もうとされる方なら一番気になる部分です。事業自体の知名度も低いので、採算がどうとかの想像が全くつかず、まずは調べることとなります。

  • 介護タクシーは廃業が多いの?
  • 高齢者が多いから引く手あまたじゃないの?
  • 介護タクシーは予約が取りにくいから不足しているんじゃないの?

などなどの疑問が湧いてくると思います。

当記事では、介護タクシーの開業運営を専門に扱う行政書士が、介護タクシーの運営にかかる経費、そこから逆算した目標とすべき収入、そして収支がどうなるかを徹底シミュレーションしました。

この記事を最後まで読むと、介護タクシーの運営にどの程度維持費がかかるか、どれくらいのお客さんをどれくらいの単価で取ればいいのかがわかります。

当記事は法人で介護タクシーを開業した場合の収支をシミュレーションしています。個人事業主の方の場合は下記の記事もご参考下さい。

【開業志望必見】介護タクシーの平均的な収支はこうなる!個人事業主編

介護タクシー(福祉タクシー)の年間経費

今回は法人編という事で、前提条件として

  • 介護事業を行っている法人が介護タクシーを始める
  • 二種免許保持者を一人新しく雇い入れる

という条件でシミュレーションをしたいと思います。

当記事ではランニングコストについて記載していますが、初期費用については詳しくはコチラ!

法人の場合一人の増員で可能

通常、介護タクシーを始める場合

上記の二人の人員が必要です。運行管理者は運転者を管理する役目なので、運転者と兼任が出来ません。

運転者は二種免許が必要なのですが、運行管理者については、タクシーが5台以上にならない限り、特に資格が必要無く、運転者以外とは兼任が出来ます。

なので、既に雇っている方に出発帰社時の点呼だけ見て、記録だけしてもらうという運用も可能です。

これは法人介護タクシーであるからこそ出来るメリットです。

介護タクシー年間固定費一覧表

上記の前提を踏まえ、介護事業を行っている法人が人を一人新たに雇い入れた時にどれだけの経費が発生するかを表に纏めてみました。

軽自動車ミニバンハイエース
自動車税7,5009,50015,700
重量税5,70030,00049,200
自賠責保険12,70012,50012,700
任意保険20,00020,00020,000
車検費用70,00075,00080,000
一年点検(法定)10,00010,00010,000
駐車場180,000180,000180,000
人件費3,600,0003,600,0003,600,000
車両リース360,000528,000600,000
固定費合計4,445,9004,645,0504,747,600

前提条件として

  • 任意保険はグレードの高い物でも18万くらいであるので、20万計上しています。
  • 人件費は25万の募集が多かったので、25万に社会保険の会社負担分を足して30万*12としています。
  • 最初に車を購入するという事であればリース費用は減ります。

介護タクシー年間変動費一覧表

次に変動費です。前提としては

  • 一日病院への送迎朝昼あわせ2往復
  • 大阪の病院への平均距離は3.7キロ(後述)
  • 往路復路の間に一度営業所へ帰還するとしてガソリン代を計算し、1日約30km走ることとする。
軽自動車ミニバンハイエース
ガソリン代70,00090,000130,000
オイル交換代10,00010,00010,000
タイヤ代20,00024,00028,000
高速料金28,00029,00030,000
合計128,000153,000198,000

変動費は上記のようになります。

経費合計と目標客単価

変動費と固定費を算出し、平均的な年間経費が算出できます。12で割ると大体の月間経費がわかります。

上記の前提条件の通りに計算すると、目標顧客数が

年間の病院開院日230日✕1日のべ4人=年間のべ920人

年間920人の乗客の獲得を目標とする事が見えてきます。これを年間経費で割ると

軽自動車ミニバンハイエース
固定変動合計4,573,9004,798,0504,945,600
一人乗車辺りの原価4,9725,2155,376

上記のような数字になります。

諸々のオプションを加えると、介護タクシーの想定売上は往復で12,000円が平均と言われていますので、フルタイム1人雇ってもなんとか利益は出せる計算になりますが、結構カツカツです。

各事業者様に合った売上シミュレーションにつきましては、メールフォーム、LINE、お電話等で「初回無料相談希望」と明記の上でご連絡下さい。弊所から連絡差し上げます。

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介護タクシー想定収入

次に収入です。

経費計算と同じ前提での売上もシミュレーションしてみます。

  • 大阪府の総面積:1,899k㎡
  • 大阪府の総合病院数:513軒
  • 病院への平均距離:3.7k㎡

大阪の面積を病院数で割ると3.7km四方に一軒病院がある、単純計算過ぎますが、3.7km走るとどこかしらの病院にたどり着くことが出来ます。

タクシーで3.7km走ると運賃のみで1300円、迎車料金頂いて2000円弱になります。(ただし、信号等で停車がある場合は時間加算でもうちょっと増えます)

運賃だけでは介護タクシーで利益を出すのは難しいことがわかって頂けます。

介護タクシーの運賃について、詳しくはコチラ!

運賃以外の売上

介護タクシーは一般タクシーと違い、下記のような運賃以外の料金を頂くことも出来ます。

  • 乗降介護料金:500円~1,000円
  • 院内介護料金:1,000円前後
  • 迎車料金:スリップ制(車庫を出た瞬間からメーターオン)or初乗り料金
  • 機材レンタル料金:車いす1000円、ストレッチャー3000円等
  • フロア移動(車椅子を持ち上げての階下階上移動)

上記の物があります。これで料金を想定すると

軽自動車ミニバンハイエース
迎車¥660¥660¥680
初乗り1.5km¥6601.5km¥6601.7km¥680
加算248m¥80248m¥80241m¥80
運賃合計¥2,040¥2,040¥2,080
基本介助¥500~¥1,000¥500~¥1,000¥500~¥1,000
機材レンタル
(オプション)
¥1,000¥1,000¥1,000~¥3,000
院内介助
(オプション)
¥500~¥1,000¥500~¥1,000¥500~¥1,000
フロア移動
(オプション)
¥500~¥1,000¥500~¥1,000¥500~¥1,000
概算合計¥2,380~¥4,380¥2,380~¥4,380¥2,400~¥6,400

※運賃は平均的に大阪府C料金を想定しています。

大阪近辺の介護タクシー事業者で一般的な料金体系は

  • 迎車(660円)
  • 運賃(1,380円)
  • 基本介護(1,000円)
  • 機材レンタル(1,000円~3,000円)

上記の設定が多いです。レンタル料については、借りない人も居ますが、迎車・運賃・基本介護は基本利用者全員から頂けます。つまり、この時点で客単価3,000~4,000円は見えています。

ちょっと遠目の病院に行く、院内介助もしてほしい等が結構あるので往復で12,000円が見えてくるという形になります。

ハイエースの場合は、ストレッチャーを積む事が出来ますので、ストレッチャーレンタル料として客単価3000円アップできます。

ストレッチャー対応の介護タクシーはまだまだ少数派ですので、この辺りはチャンスと言えます。

利用者が相場に慣れてきつつある

3~4キロの移動に、利用者さんが12,000円も出すのかという感覚になりますが、大体通院は月1か2月に1回程度です。

その際にバスや電車を乗り継いで面倒をかけて開院時間にたどり着く、終わってから同じ道を通って帰宅という事を考えると、12,000円は妥当と考える利用者さんも実は多いです。

初めて使った利用者さんは「こんな高いんだ」という感想を持つ方が多いのですが、最後には利便性が勝つ場合が多いようです。

もちろん、利用者さんに最後には満足して帰ってもらえるようなサービスを提供する事は必要です。満足して貰えれば、通院は定期的なので、リピートに繋がります。

介護タクシー事業の失敗成功の分岐点は値決めが肝心です。現在では安くして失敗する例のほうが多いので、まずは周囲の業者を見て決めるのが良い選択です。

各地域や事業者様に合った提案については、メールフォーム、LINE、お電話で「初回無料相談希望」と明記の上ご一報下さい。弊所よりご連絡差し上げます。

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修正経費計画:人件費を圧縮する

フルタイムでドライバーさんを雇ってもなんとか利益は出せますが、せっかくの自費収入ですので、もう少し利益率を増やしたい場合は、人件費を再考してみます。

人件費の圧縮は、法人の場合労基法がありますので容易ではありません。ではどうすればいいでしょうか。

これは個人事業では出来ない、法人のみで可能な人件費圧縮方法なのですが

・別の業務と兼務してもらう

法人ではこれが出来ます。自然とこうなると思います、序盤の方は介護タクシーで1日が埋まるわけではないので他業務を兼務してもらうと人件費が圧縮されます。

一日8時間労働として、朝昼の病院の往復以外の時間は余ります。それ以外の時間については別の業務を担ってもらう事で、人件費の吸収を画策します。

例えば8時間中5時間を介護タクシーに、それ以外の3時間は

  • 営業所内の事務仕事を行ってもらう
  • 意欲のある方はヘルパーとしての業務も行ってもらう
  • 施設がある事業者の場合送迎ドライバーを兼務してもらう

などなど、別で売上も立てられます。

介護タクシーのドライバーは介護系資格の取得が努力目標となっていますので、初任者研修等の資格を取得の上でヘルパー兼ドライバーになればかなりの戦力となります。

勿論、想定の5時間以外の時間にもタクシー業務が入れば、収入はプラスになりますので、全く問題ありません。

更には運送業の許可に付随で「救援事業」という介護保険外サービス(ほぼほぼ何でも屋)を行うことも出来ます。

介護タクシー付随許可│救援事業(便利屋事業)の詳細

アイディア次第で経費の圧縮、客単価の向上両方が可能です。

人件費圧縮後の介護タクシー収支一覧表

では仮に1日5時間をタクシー業務に従事するとして、人件費を5/8にしてみます。すると下記のようになります。

軽自動車ミニバンハイエース
自動車税¥7,500¥9,500¥15,700
重量税¥5,700¥30,000¥49,200
自賠責保険¥12,700¥12,550¥12,700
任意保険¥200,000¥200,000¥200,000
車検費用¥70,000¥75,000¥80,000
駐車場代¥180,000¥180,000¥180,000
一年点検(法定点検)¥10,000¥10,000¥10,000
人件費¥2,250,000¥2,250,000¥2,250,000
リース¥360,000¥528,000¥600,000
ガソリン代¥70,000¥90,000¥130,000
オイル交換代¥10,000¥10,000¥10,000
タイヤ代¥20,000¥24,000¥28,000
高速料金¥28,000¥29,000¥30,000
総合計¥3,223,900¥3,448,050¥3,595,600
1人乗車辺りの原価¥3,504¥3,748¥3,908
想定売上¥2,380~¥4,380¥2,380~¥4,380¥2,400~¥6,400
利益率19.81%14.24%38.39%

※原価とは年間経費合計を、先述の年間想定顧客数920人で割った、一人を乗車させる時にかかる経費としています。

人件費が5/8になったことで、かなり現実的な数字になり、利益を出せる事が見えてきました。

年間でいうと、大型でも軽でも経費にそこまで派手な差はなく、ストレッチャーが使えてオプション料金が取りやすいハイエースの方が利益率が高くなる可能性が高くなる見込みが出ています。

売上以外のメリット

介護事業者+介護タクシーの許可を2つ持つ事によって、いくつかの相乗効果が生まれます。

売上の面が解決すれば、このメリットを享受出来ます。

初期コストが下がる

介護タクシーは

  • 営業所
  • 休憩所
  • 車庫

上記3つの施設が必要になりますが、同法人が申請を出す場合、営業所は介護事業の営業所と共用、休憩所は営業所の一角をパーテーション等で仕切ってソファ等を置くことで認められます。

なので、普通に開業する場合より初期コストが抑えられます。

車庫と車をチョイスするだけでよくなります。

人件費が下がる

介護タクシー単体で始めると、最低でも2人分の人件費が発生しますが、同法人内別事業として立ち上げる場合、兼任が出来ます。

  • 既に雇用している方に業務を行ってもらう
  • 新しく雇った方に介護事業の方を一部担ってもらう

等の工夫で、人件費を吸収出来ます。

通院乗降介助に介護保険が適用出来る

これは2つの許可を持っている同一法人でないと出来ないのですが、通院をケアプランに含んで貰った場合、通院の乗降にかかった基本介護料金について、介護保険の適用が可能になります。

運賃については利用者様の自費になりますが、それ以外の介助料金に適用が可能となります。

白ナンバーで利用者様を有償運送出来る

介護事業+介護タクシーに加えて付随許可を取ることで、ヘルパーさんの自家用車で利用者様を病院へ運べます。

一定の条件はありますが、車移動しているヘルパーさんが居る場合は、病院へ行くのに外部の介護タクシーを頼み、それを追いかけて乗降介助等の面倒な事が減ります。

因みに「無償なら運んでもいいのか」という疑問を持たれる方が多いのですが「そこだけ無償という言い訳は通らない」という判例が出ております。

運送業許可を持たない介護事業者は、運ぶことそれ自体が禁止という事になっています。

介護タクシーは入金が早い

介護事業の売上は7~8割が介護保険から来ますが、約2ヶ月半後になります。

翻って、介護タクシーは運賃部分は利用者様の自費、介助部分もケアプランに含まなければ自費になります。

現金決済の場合は即入金、カード払いを導入しても末締め翌月払いですので、資金繰りの助けになります。

関連事業と絡められる

主にこの2つになります。

救援事業

旅客運送業許可を持っている事で、運輸局に届出の上で便利屋のような事が出来ます。

他の許可が必要な業務以外は大体可能になります。介護保険外で、利用者様の身辺の世話等を行えます。

自由度が高い事業なのでアイディア次第で客単価の上昇が狙えます。詳細は下記の記事にて。

介護タクシー関連事業│救援事業(便利屋事業)の詳細

民間救急

介護タクシーに追加許可で、消防署からの認可を受けて、民間救急事業という事業が可能になります。

消防署やその委託を受けたコールセンターと連携を取る事が可能になります。救急まで行かない緊急度の低い患者を有償で運送出来ます。

結構多いのですが、医療法人でかつ介護事業の指定も受けている法人の場合は相乗効果が見込めます。

民間救急について、詳しくはコチラ!

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まとめ

以上が、介護事業者が介護タクシー事業を運営するに当たって必要な経費と見込み売上、同時に運営するメリットになります。

介護事業者の方ならご存知の通り、現状介護タクシーは不足しており予約の取りにくい状態が続いています。

先行者利益は十分に出せる状況にあり、比較的早く起動に乗せられる見込みがあります。

介護事業と同時に介護タクシー、ぜひご検討下さい。

  • 介護タクシーの人件費は兼務で圧縮出来る
  • 介護タクシーの経費は介護事業と兼用で圧縮できる
  • 初期コストとランニングコストが吸収出来る
  • 売上以外にも相乗効果、メリットがある

開業前に売上やランニングコストが不安になった場合、資料を持参し営業形態の提案をさせていただきます。初回無料相談是非ご利用下さい。

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