タクシーは減らせ!介護タクシーは増やせ?

介護タクシーの開業を検討するにあたって、一番気になるのが「儲かるのかな」「お客さんはいるの?需要はあるの」だと思います。

実際の所業界や、それを取り巻く環境、需要や供給はどんな感じになっているのでしょうか。

あれだけ町で車いすマークの車が走り回っているのを見るから、もう供給過多なんじゃないの?と思うかもしれません。

その辺りの市場について、大阪で介護タクシー開業運営を専門としている行政書士が徹底解説します。

この記事を最後まで読むと、介護タクシー業界を取り巻く環境がわかります。

タクシーを取り巻く環境

2000年代前半に一般タクシーが増えすぎた時期がありました。

あらすじとしては下記の流れです

flowchart TB A[2002年タクシー開業原則自由化]--> B[タクシーが増えすぎる]--> C[2009年 タクシー特措法で開業再規制]--> D[2022年現在 タクシーをひたすら減らしている]

特に大阪等は、まだ適正台数まで減らせず現在に至っています。

一般タクシーは増えすぎて増やせない

上記の事情で、東京や大阪等の都市圏では、ほぼほぼタクシーの新規や増車は出来ないと考えていいでしょう。

東京は、2002年の規制緩和以降、適正台数まで減らせましたが、今は減った分しか増やせないので実質順番待ち状態です。

大阪は、まだまだ減らす姿勢のようで、特に大阪市は新規タクシー事業開業には10台の営業車が必要になります(通常は5台)

介護タクシーは国を上げて増車を推奨している

2020年現在、全国で介護タクシー(含むUDタクシー)の台数は41,000台あります。

2025年までにこれを90,000台にしようという目標を掲げています。

かなり無茶な目標に見えなくもないですが、実は2016→2019年で台数は1.5万台→3.7万台と倍以上に増えているので、完全に無茶とは言い切れません。

3年で倍にしてもまだ国は「足りてない」と結論しています。

現にケアマネさんの話では、まだまだ介護タクシーは予約が取りにくいということです。常々使っている人でも取れにくいので、はじめて使う場合はさらに予約は取りにくい状況になります。

こんな事情もあり、国が介護タクシーの開業を推奨しているので、開業要件については運送業の中でもかなり易しくなっております。(下記項目参照)

認定障がい者、要支援要介護者の数は増えている

介護タクシーを利用する事が出来るのは主に、上記の「障がい者として認定をされた方、要支援要介護に認定された方」に限られます。

最新の数字がなかなか出ないのですが、2016~2018年くらいの段階で、障害を持っていると認定された方、要支援要介護の方は合計で1000万以上いらっしゃいます。さらには増加傾向です。

2018年 要支援要介護人数  645万人(内閣府より)

2016年 障害を認定された方 428万人(内閣府より)

おおよそ1000万人、加えて高齢者については2025年までには増加傾向にありますので、それを計算に入れて90,000台ないと足りないと踏んでいるのでしょう。

1000万人に対して90000台、つまり国は乗客に対して介護タクシーを大体100人に1台程度にしようとしているのではないでしょうか。

6年で倍増という無茶な計画を立てて居ますが、現在でも足りていないので、とにかく高い目標を掲げてできる限り増やせという構えです。これから更に需要が逼迫すると考えられています。

大阪の介護タクシーの状況

では大阪のデータを見てみましょう

2020年3月末データ

  • 要支援・要介護・障がい者数 797,232人
  • 介護タクシー 1688台
  • 介護タクシー1台に対し利用者472人

特に大阪は全国水準で見ても圧倒的に足りていません。

ちなみに全国は2020年末で230人くらいに1台の計算です。全国の半分くらいしかありません。

先程の全国の数字に当てはめると、100人に1台としても大阪では7000台くらい必要で、あと5000台は増やさないと足りないとされています。

なぜ大阪では介護タクシーが足りていないのか

大阪及び、近畿運輸局圏内(大阪、京都、兵庫、和歌山、奈良、滋賀)の2府4県については、介護タクシーの開業の最低人員が2人となります。

近畿運輸局圏管轄内では、運行管理者と運転者の兼任が許されていません。

これは運送業では当たり前のことなのですが、ただ関東、東北、北陸、九州の4地域については、この2ポジションの兼任が許されており、最低1人で開業できます。この差はかなり大きいです。

関東運輸局管轄内については、運送業許可に必須の法令試験まで免除されており、首都圏については介護タクシーがかなり増えています。

介護タクシーは未だに予約が取りづらい

介護タクシーは予約が取りづらいと色んなところに書かれたり言われたりしています。

  • 大前提として数が足りていない。
  • 大手がない。個人事業や小規模が多い。
  • アプリや配車センター等が整備されていない。

この辺りが原因ですが、一番大きな原因は数が足りていない事です。ケアマネさんの話では「予約をとるのにコツがある」という事だそうですが、コツが無いととれないようなレベルの話だそうです。

これはどういう事かというと、開業した後、然るべき所に周知活動を行えば、必ず売上は上がると言うことです。

介護タクシーの売上は?

1台辺り20万~50万と言われています。

  • 客単価概算¥3,000(運賃・基本介助・機材レンタル)
  • 朝昼の病院の送迎2往復
  • 平日を月20日

大雑把な計算ですが、ベースの売上が24万ほど。これに遠出や転院等の単発が入れば30万程度。
民間救急や救援事業等を絡めれば客単価はさらに上げられるかもしれません。

介護タクシー関連事業「民間救急」について、詳しくはこちら
介護タクシー関連事業「救援事業(便利屋タクシー)」について、詳しくはこちら

介護タクシーは、介護と言いながら障害者に認定された方も対象ですので、透析患者さんを何人かリピーターに出来れば売上が安定すると言われています。

介護タクシー開業の要件は厳しくない

介護タクシー開業は、そんなに厳しい要件ではありません。

  • 最小車1台と事務所と人が二人
  • 必要資格は二種免許
  • 4つの役割を兼任不可の物を除いて分担する。
  • 試験を受ける。
  • 車はリースでOK
  • 営業所は自宅でもOK
  • 軽自動車OK
  • 必要資金概算400万程度

介護タクシー開業最低資金シミュレーション

飲食店一つ開こうとしても、大体1000万程度はかかりますので、かなりスモールスタートを切れるビジネスではあります。

翻って一般タクシーは、例えば大阪市内だと営業車10台ないと始められません。10台だと、車の台数や営業所の広さ、運転手10人分の人件費など考えると初期費用2000万以上は必要になります。

これらに比べると、介護タクシーは要件も易しく、開業資金もその後の維持費も安く抑えられ、車も一台ずつ増やしていくことが出来るので、開業がかなりしやすくなります。





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まとめ

  • 一般タクシーは2002年に増えすぎて、まだ減らそうとしている。新規許可は相当厳しい。
  • 介護タクシーは、国が増やそうと推奨している。
  • 介護タクシーは、5年で倍増させる目標を立てている。
  • 介護タクシーは、車事務所車庫人等の、運営するにあたって当たり前の設備がちゃんとあれば許可が下りる。
  • 介護タクシーは、一回許可を取ると半永久の許可。更新が無い。
  • 介護タクシーの数は全国的に足りていない
  • 介護タクシーの数は大阪は特に足りていない
  • これからサービス周知が進み、利用者も増加傾向
  • 2025年までに倍増計画があり、営業許可は下りやすい

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この記事は行政書士が執筆しています

当記事は、役所の手続きの専門家で、介護タクシーの開業運営の専門家でもある行政書士・高橋健治が執筆を行っております。

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