
介護タクシーに限った話ではないですが、タクシーは救援事業という事業をすることが出来ます。
「救援事業って何?救急車みたいなもの?」
このサービスもなかなか知名度が低いです。知名度が低いということは逆にブルーオーシャンであるという事かもしれません。
国土交通省の企画だそうなのですが、色々できます。やろうと思えばタクシー事業は便利屋事業に乗り出すことが出来ます。
では具体的にどういった事業を行うことができるのでしょうか。専門の行政書士が徹底解説させていただきます。
全ては網羅できませんが、調べる限り今救援事業を行っている業者さんが行っている事業をあらん限り調べてリスト化してみました。
この記事を最後まで読むと、介護タクシー+救援事業でどんな事業が行えるのかがわかります。
タクシー救援事業とは
例としては下記のサービスです
タクシー救援事業で出来ることリスト
- 病院の予約代行
- 病院の付き添い
- 安否確認
- 薬受け取り
- 買い物代行
- 忘れ物受け取り
- 両替代行
- 電球交換、家電の修理
- スマホの設定代行
- 家具移動の手伝い
- 公共料金の払込代行
- ガス元栓確認
- 役所・銀行への手続代行
- 冠婚葬祭の付き添い
- お墓掃除、お墓参り代行
- 切符やチケットの予約購入代行
- 草むしり、草刈り等の庭仕事代行
- ペットの散歩代行
- 車いすの修理点検
- 家事全般、掃除代行
- お話相手
- 親の介護施設への届け物
- 除雪
- 灯油配達
上記はあくまで例です。まだまだこれ以外にも違う業務を行っているタクシー事業者様が居るかも知れません。
ただ、上記のようなことが合法的に可能ということを覚えてくと、なにか新しい商売に結びつけることが出来るかもしれないということです。
既に介護タクシーで地元に知名度が出来ていている、ある程度お客さんがついている等の場合は、上記の事業はじめましたとして広告してみると、サイドビジネスとしての副収入が狙える他、介護タクシーでないと動けない様な方への力になることも出来、社会貢献度の高い活動が可能になるでしょう。
介護タクシー事業者が救援事業を始めるには
救援事業計画を陸運支局に申請して下さい。
タクシーすなわち「一般乗用旅客自動車運送事業」の許可をすでに持っている事業者なら申請可能です。勿論(福祉限定)でも構いませんので、介護タクシーでも申請出来ます。
フォームは下記の通りです

これ一枚だけでいいです。事業計画といえば、開業申請の時に何枚も書かされましたが、あそこまでの物ではないです。
明らかに問題のある事業の場合は受理されないこともありますが、買い物代行のようなメジャーなサービスである場合は、受理されないことは無いと考えていいでしょう。
前例があるサービスであればスムーズです。
計画書に書いた事以外はやってはいけないのか
基本的にはダメです。
加えて、上記のこと全部やると言ってもおそらく1人~数名でされている介護タクシー事業者ではリソースに限界があるので、上記のリスト内から何をするかをピックアップして決めるのが賢明です。
因みに下記のような条件があります。
(1) 本来のタクシー事業の遂行を妨げるものでないこと。
近畿運輸局「タクシー事業者が行う救援事業等について」より抜粋
(2) 救援事業は、タクシー事業ではないが、タクシーの事業用施設を使用して行うものであるので、これらの救援事業に使用するタクシー車両、事業運営方法等を記載した計画書を陸運支局長あて提出すること。
(3) 救援事業の業務遂行のために走行する場合はタクシーメーターを使用しないものとし、「救援」の表示をすること。
(4) 救援事業の営業区域は、タクシー事業区域を越えるものでないこと。
(5) 救援事業遂行中の走行キロは、タクシー事業の走行キロに含めてはならないこと(区分して記録すること。)。なお、救援事業に関連して旅客輸送の申込みがあり、これに応じて旅客輸送を行った場合には、通常のタクシー事業における実車として取り扱うものとすること。
(6) 救援事業の会計処理はタクシー事業とは明確な区分経理を行うこと。① 救援事業の収入は、タクシー事業の運賃・料金収入等とは明確に区分して処理すること。② 救援事業に関連する人件費、車両運行費、減価償却費等の共通経費は、原則として所要時間比率で配分すること。この場合の所要時間比率の算定のため、救援事業遂行中の時間をタクシー事業遂行中の時間と区別して記録しておくものとすること。③ 資産・負債等についても同様とすること。
(7) 当該事業の営業実績を記載した報告書等を定期的に陸運支局長あて提出すること。
(8) 救援事業の料金は、タクシー運賃・料金とは無関係とすること。
(9) タクシー利用者の利便に影響を及ぼす程救援事業のウエイトが大きくなってきた場合は、当該事業専用の施設を設備すること。
救援事業についても、毎年事業報告が義務付けられていますので、報告の上でやってはいけないことがあれば注意が入ります。
自分がやりたい事業が、これらの決まりに抵触していないかが不安な場合は、運輸局に問い合わせるのが一番確実です。
やってはいけない事の例
例えば下記のような例が挙げられます。
荷物を運ぶ。1つ○○円で集荷を募って貨物運送業のような事を行う。
貨物運送業をやりたい場合は貨物運送業の許可が必要になります。
30分○○円での買い物代行や、灯油の購入代行のような業務が限界です。
販売行為
予め買ってくる物を依頼者から頼まれて買いに行く事が限界です。既に仕入れいてる物を利用者に売ったりする事については、無資格販売等該当することがあります。例えばお酒なんかは販売に資格が要りますので、無資格販売になりきつい罰則があります。
危険物の取扱い
灯油の購入代行が出来ますが、灯油は200リットル超えると危険物を取り扱う資格が必要になります。他に火薬や毒物劇物みたいな物を扱うにもそれ相応の資格が必要になります。
ちなみに灯油のポリタンク1つは18リットルだそうですので、あまりないとは思いますが数十件のお宅の分をまとめて買付代行等になると問題が出てくる恐れがあります。
大まかに言いますと、他の資格が必要な事は便利屋の資格では出来ないということです。それを取り扱える資格を持った上で、登録や許可を受けて扱わなければなりません。
上記3点はあくまで一例になりますので、上記のリスト以外の事でも新しいビジネス形態を思いついた場合は、事前に運輸局に相談しておくと確実です。
救援事業の料金形態の例
30分〇〇円、以降15分ごとに○○円という時間制、相場は30分2000円、1時間4000円程度だそうです。
ちなみに、救援事業を行っている時はタクシーメーターを使ってはいけません。
買い物代行に行って、その距離によって料金発生という料金形態は取れませんので注意が必要です。
あくまで別個の事業であると考えて行って下さい。
救援事業は要支援・要介護等でなくても使える
介護タクシーは、要介護、要支援、障害者しか使用することは出来ませんが、救援事業については誰の仕事でも受けることが出来ます。
あまり広げ過ぎると本来のタクシー業務に支障が出ますが、あくまでサイドビジネスとして、タクシー業務の広報として、空き時間の利用として救援事業を始めてみるのもいいかもしれません。
要介護、要支援、障害者の方以外でも、買い物や家事などで困られている方も少なくないので顧客対象はぐんと広がります。
既に介護タクシーを始めている場合、業務形態によっては少ない元手で業務拡大ができます。新しいビジネスを思いついた等なら是非救援事業をご検討下さい。
「この業務、救援事業でやっていいの?」で迷ったら
例えば「こういう事業を思いついたけど、救援事業でやっていいの?」という事で迷ったら是非ご相談下さい。
- 他の許可事業とかぶっていないか
- 法律に触れないか
- 前例がない事業だったりしないか
この辺りで迷ったら是非ご相談下さい、ある程度まで具体的に決めて運輸局に持ち込んでみます。OKなのかNGなのか、はたまた改善をすれば許可が出来るなのか、役所との交渉が可能です。
そのあたりの交渉については、行政書士が得意としております。是非お気軽にご相談下さい。
介護タクシー関連事業
下記のような事業を紹介しています。良ければご覧くださし。
まとめ
- 救援事業は便利屋業務を可能とする。
- 他の資格や許可が必要な事についてはやってはいけない。
- タクシー業務に支障が無い範囲で行う
- タクシーに対するウェイトが大きくなってきた場合は、専門の事務所等施設を設ける。
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この記事は行政書士が執筆しています

当記事は、役所の手続きの専門家で、介護タクシーの開業運営の専門家でもある行政書士・高橋健治が執筆を行っております。