介護タクシーvs一般タクシー、メリット・デメリット徹底比較

介護タクシーの誤解としてあるのが「介護タクシーって介護保険きくから安いんでしょ?」という話です。

介護保険が使える介護タクシーは本当に少数で、おまけにケアマネ作成のケアプランに入っていないと介護保険は使えません。

  • 介護タクシーがこんなに高いとは思わなかった
  • 一般タクシーと介護タクシーの料金ってどう違うの?
  • 介護タクシーの料金形態ってどうなってるの?

介護タクシーのサービスや制度の知名度が低いので、まだまだ知れ渡っていません。

この記事を最後まで読むと、介護タクシーと一般タクシーの違い、その料金の違い、介護タクシーの料金体系等がわかります。

介護タクシーと一般タクシーの違い

まずは介護タクシーと一般タクシーの特徴とその違いを挙げて見たいと思います。

一般タクシーの特徴

○運賃だけで良い、介護タクシーより安い
○道で見かけて、手を上げて拾える
△車椅子を乗降する設備がない
 (最近あるものも増えてきている)
✕運転手が必ずしも介護の知識があるとは限らない。
 (介護タクシーの場合、乗降介助技術の習得の努力義務がある)
✕他の乗客との差別的扱いが許されていない。
 (特別サービスを行い、特別料金を取ることを許されていない)
✕何か事故が起こった時、責任が取れない
 (乗降介助が許されていないので、乗降中に怪我などがあっても責任が取れない)

つまりは諸々のルールから、一般タクシーは乗降を手伝うことができません。

第九条の三 一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金
一般乗用旅客自動車運送事業を経営する者は、旅客の運賃及び料金を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。
(中略)
二 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。

道路運送法より抜粋

上記のような決まりがあります。差別的扱いが禁止、つまりお客さんの優遇も禁止という事です。

UDタクシーの法律上の立場は、すごく極端に言うと「乗せるスペースと設備はあるけど、乗せるのは自分でやってくれ」という事になってしまいます。

UDタクシーを使うのであれば、厳密にはだれか介助する人を付き添いに乗ってもらわないといけません。

UDタクシーとは

セダン型タクシー
セダン型タクシー

UDタクシーとは、ユニバーサルデザインタクシーと言い、右図のようなものになります。

通常思い浮かべるタクシーは、画像上のセダン型ですが、最近画像下のバン型のタクシーもよく見かけるようになってきました。

画像下の物がUDタクシーとなります。体の不自由な方が車いすのまま乗車できるため、天井が高く、車内のスペースが広く、サイドドアは引き戸でスロープが設置できる車になります。

UDタクシー
UDタクシー

UDタクシーは、介護でない一般タクシー会社が、セダン型の代わりに置き換える形で増えています。

UDタクシーは、介護タクシーと一般タクシーの中間くらいの存在で、車いすも乗せられますが、座席もついていますので、健常者も普通通り乗ることが出来ます。

問題点としては、車いすの乗車の為の車内の座席の組み換え、乗降に一般の乗客より時間がかかります。

加えて特別料金の収受が禁止されているので、歩合で働いてるタクシードライバーさんからはメリットがなく、場合によっては乗車拒否を引き起こしているという例も少なくないそうです。

なるべく早い法整備を望みたいです。

介護タクシーの特徴

一般タクシーのデメリットを裏返すと、全て介護タクシーのメリットとなります。

○車椅子、ストレッチャーを乗降させる設備がほぼついている。
 (または、乗降介助が可能な技術を持っている人が必ず乗っている)
○運転手が介護の知識を高い確率で持っている。
 (一部努力義務となっているが、義務化はされている)
○サービスの形態が柔軟
 (特別サービス(乗降介助)を行なって、特別料金を取ることが許されている)
○乗降介助がサービスの範囲内になる
 (何か事故があった場合、責任を持ってくれる、乗客が保護される)
✕完全予約制につき、道で拾えない。
✕介助のための料金が発生する。

介護タクシーと一般タクシーはどっちが安い?

まず運賃部分についてですが、初乗り◯◯円、◯◯メートル◯◯円の部分については、介護タクシーも一般タクシーも同じです。

介護タクシーもタクシーメーターで動いていますので、この部分については全く共通部分となります。

大阪のタクシー普通車(軽自動車・ミニバン等)

距離制運賃
時間制運賃
初乗運賃
(1.5km)
加算運賃
時速10km以下時
(30分)
上限運賃680円241m80円1分30秒80円2,800円
B運賃670円245m80円1分30秒80円2,780円
C運賃660円248m80円1分30秒80円2,720円
D運賃650円252m80円1分35秒80円2,680円
E運賃640円256m80円1分35秒80円2,640円
下限運賃630円260m80円1分35秒80円2,600円

大阪のタクシー大型車(ハイエース等)

距離制運賃
時間制運賃
初乗運賃
(1.7km)
加算運賃
時速10km以下時
(30分)
上限運賃700円208m80円1分15秒80円3,150円
B運賃690円211m80円1分20秒80円3,110円
C運賃680円241m80円1分30秒80円2,800円
D運賃670円245m80円1分30秒80円2,760円
E運賃660円248m80円1分30秒80円2,720円
下限運賃650円252m80円1分30秒80円2,680円

★自動認可運賃

・事業者の申請に基づき、個々の事業者ごとに認可する仕組み。
・特定地域・準特定地域以外の地域に適用
・運賃ブロック(全国98ブロック)毎に自動認可運賃を設定。
・自動認可運賃は、個別事業者の審査を省略したとしても、道路運送法に定める運賃の認可基準と適合すると合理的に推認しうるものとして、上限と下限の幅を予め設定している。
・自動認可運賃内の申請が出されれば、個別審査をせずに自動的に認可される。

★下限割れの運賃扱い

・幅の下限を下回る運賃は、厳格な審査を個別に実施。
・認可にあたっては、一年の期限が設定される等の条件が付される。

国土交通省資料「タクシーの運賃制度について」より抜粋

タクシーは安値競争が起こらないために「この運賃なら自動的に認可するで」という運賃を決めています。これは介護タクシーもタクシーも共通になります。

介護タクシー運賃について詳しくはコチラ!

一般タクシーは運賃以外取れない

一般タクシーは、運賃以外取ることが出来ません。

そして運送以外のサービスを行うことも出来ません。他の乗客との差別的取扱いが禁止されているからです。

上記のようなUDタクシーで、車椅子を乗車させることが出来る車についても、厳密に言うと乗降を運転手さんが手伝うのはいけないとされています。

介護タクシーは運賃以外の料金が取れる

介護タクシーは運賃以外に介助料金等を取ることが許されています。

  • 基本介助料金
  • 機材レンタル料金(車いす、ストレッチャー等)
  • 院内介助料金(病院に到着した後の病院内の介助)
  • フロア移動料金(フロアの昇降を持ち上げて移動等)

介護タクシーは、運送以外のサービスをしても良く、そのサービスに対し料金をいただくことも出来ます。

よく「介護タクシーと一般タクシーはどちらが安い?」という事を聞かれますが、価格だけで言うと一般タクシーの方が安いです。

ただし、車椅子乗車の場合は不便もありますので、値段相応のサービスであるというのが正直な所です。

何かあった時に利用者が保護される

介護タクシーは運転時以外の事故の保証についても保険に加入出来ます。

一般タクシーはそもそも介助をしてはいけません。もし法外で乗降の手伝いをしてその際に乗客に怪我をさせた等あった場合、スムーズに行かない可能性も出てきます。

翻って介護タクシーは、介助がサービスに含まれています。事業者目線でいうと介助中の事故を保証してくれる保険等にも加入できます。詳しくは下記の記事をご覧ください。

介護タクシーの事業者が入る保険のリストアップ

介護タクシー事業者側としても利用者側としても、運転以外のタイミングで事故があっても保険が下りるので、この辺りの事はスムーズに行なえます。

介護タクシーの基本介助料金の相場は大体1,000円程度の事業者様が多いですが、この辺りを加味しての1,000円であれば、納得の価格ではないでしょうか。

介護タクシー開業前に、制度をよく知りたい時は

介護タクシーは、介助料金をいただく代わりに、介助中に起きた事故についても責任を持ちます。利用者、事業者両方に保護されています。

  • 運賃はタクシーと同じ?
  • 介助料金ってどれくらい貰えばいい?
  • 車いすやストレッチャーを貸してもいい?

等など、気になることがあればご相談下さい。専門の行政書士が直接対応させていただきます。下記メールフォーム、LINE、お電話等でおきがるに!

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まとめ

  • 介護タクシーは普通のタクシーより料金は高い!
  • 乗降介助、車から離れた介助にも対応してくれる!
  • 一般タクシーは介助をサービスに入れることが出来ない!
  • 事故が有った時は、介助がサービスに入っている介護タクシーの方が利用者が保護される!

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この記事は専門の行政書士が執筆しています

当記事は、役所の手続きの専門家で、介護タクシーの開業運営の専門家でもある行政書士・高橋健治が執筆を行っております。

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