
UDタクシーという種類のタクシーが増えています。
UDとはユニバーサルデザインの略でして、ユニバーサルデザインとは体の不自由な方でも使えるデザインという意味合いの物です。
ユニバーサルデザインについてはこちらが詳しく書いています。
介護タクシーに貼られている車いすマーク。これは介護タクシーには必須でしょうか、自由でしょうか。貼る事に決まりはあるのか、解説します。
では、タクシーがユニバーサルデザインとはどのようなものになるでしょうか。
UDタクシーとは
UDタクシーとは、下記のような違いになります。


通常思い浮かべるタクシーは、画像上のセダン型ですが、最近画像下のバン型のタクシーもよく見かけるようになってきました。
画像下の物がUDタクシーとなります。体の不自由な方が車いすのまま乗車できるため、天井が高く、車内のスペースが広く、サイドドアは引き戸でスロープが設置できる車になります。
一般タクシーの置き換えとして増えている
UDタクシーは、介護でない一般タクシー会社が、セダン型の代わりに置き換える形で増えています。
UDタクシーは、介護タクシーと一般タクシーの中間くらいの存在で、車いすも乗せられますが、座席もついていますので、健常者も普通通り乗ることが出来ます。
街を走っていますので、手を上げて拾うことも出来ます。
基本的に一般のタクシーなので、運賃以外の料金が発生しません。
乗客側からのUDタクシー
じゃあ介護タクシーよりも便利だし、介護タクシーいらなくない?という話になりそうですが、実際の所そうでもないです。
主に下記の点です
・乗降介助は基本的に無し
原則介助をしてはいけません、あくまで車いすの乗れる一般タクシーですので、運転手の方は基本的に介助の資格を持っていません。
わかりやすい基準としては、乗客の体に触れる事は出来ないと考えていいでしょう。
では介護資格を持っているドライバーが介助を行えるかというと、一般タクシーという枠内では難しいようです。
2021年に「道路運送法の特定の旅客に対する不当な差別に当たる」として、車いすの乗降に特別料金を頂くことはダメと指導が出ました。
第九条の三 一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金
道路運送法より抜粋
一般乗用旅客自動車運送事業を経営する者は、旅客の運賃及び料金を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。
(中略)
二 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものでないこと。
詰まる所、UDタクシーを使うのであれば、だれか介助する人を付き添いに乗ってもらわないとダメということです。
・車内の組み換え等もある
UDタクシーは普段は普通の乗客を載せるため、座席があります。
これを車いすを載せようとすると、これらをセッティングし直し、車いすを乗せられるスペースを作らなくてはならないです。
最初から介護タクシーとして、車いすやストレッチャーを載せることを想定してスペースが作られている特化車両とは条件が違ってきます。
・乗降に時間がかかる
上記2点のことから、セッティングに時間がかかります。
普通の介護タクシーも乗降には時間がかかりますが、それプラスアルファで時間を取られると考えていいでしょう。
・乗降時に事故があっても保証されない
乗降は基本的に付き添いの方が介助することになっているので、乗降時に何かがあって乗客が怪我をする等しても、タクシー会社としてはサービス範疇外になり、保険が降りて保証をしてもらえる等は無いと考えて下さい。
・運賃だけでいい
その代わりと言ってはなんですが、サービスが少ない代わりに、運賃しか取られません。
取ってはいけないという事になりました。2021年に、運輸局から指導が出ました。
事業者側からのUDタクシー
では事業者側から見るとUDタクシーはどうでしょうか。
乗客の体に触ることが出来ない
これはサービスをする側にしても不便です。
基本的には付添の方が必ず必要です。つまり、体の不自由な方が単独で乗る事は困難と言えます。
スロープを作っても車いすで自力で乗るような腕力のある人は少ないでしょう。やはり付き添いの方の助けが必要です。
運転手の方がサービスで手伝う事もあるのでしょうが、何かあった時にはあくまでサービスなんで一切責任を取ってもらえませんし、なんなら問題になります。
スロープが急になってしまう
UDタクシーは基本サイドの扉を開けて、横にスロープを敷いて車いすを乗車させるスタイルになります。
歩道等の段差で上がっていればいいですが、基本横にはあまりスロープを伸ばせないので、どうしてもスロープの傾斜が急になる傾向になり、乗降が大変です。
介護タクシーの乗降を街で見かけた事をある人は結構多いと思いますが、基本的に後ろのドアから乗降しています。
車の後ろ側については、結構スロープを伸ばせるので、緩やかな角度で乗車が出来ます。
・乗降に時間がかかる
これは事業者にとっても大変です。
車内の組み換えと乗降、車いすの固定などで結構時間を取られます。
上記のように、基本一般タクシーは運賃以外の料金を取るなと指導されているので、乗降タイムが長いと大変です。
大体の場合、一般タクシードライバーは、歩合制で動いているので、乗降に時間がかかると時間売上の効率が下がるので、これをとても嫌がります。
・社員教育が必要
一般タクシードライバーは、タクシードライバーの教育は受けていますが、当然ながら介護の知識はありません。
ベテランさんも多い中、一から教育するというのはかなり大変です。
実際行き届いていないというのが現状だそうです。
・増車出来ない
国は介護タクシーUDタクシーを増やそうとしてはいますが、タクシー自体の増車には消極的です。
つまり、一般のセダン型タクシーをUDタクシーに入れ替える事しか出来ません。
大阪も2002年のタクシー業務適正化特別措置法の大失敗でタクシーが増えすぎ、まだまだ適正数まで減らせていないので、増車をほとんど認めてくれません。
乗車拒否に繋がる
以前問題になったのですが、歩合で動いているタクシードライバーは、追加料金が発生しない上に時間のかかる車いすの乗客について、乗車拒否をするという事がしばしば起こっているそうです。
ドライバー完全負担のサービスになるので、インセンティブがついていないと当然こうなります。
その問題は現在も根本的に解決されていません。
詰まるところ、タクシーと介護タクシーの中間的存在のUDタクシーについては、良いとこ取りではなく、どっちつかずという中途半端な感じに収まってしまっているというのが正直な所です。
介護特化が大事
餅は餅屋といいますか、やはり車いすやストレッチャーを載せるには、それに特化した車両が、利用者にも事業者にも良いという事です。
UDタクシーについては、車両面制度面でさらなる改良が待たれる所であります。
まとめ
・UDタクシーは一般タクシーで車いすを乗せられるタイプの物
・あくまで車いすを乗せられるだけで、介助はない
・乗降に多少時間がかかる。
・運賃のみで乗車できる。
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