介護タクシーのサービス概要。介護保険は?開業しやすさは?

介護タクシー(福祉タクシー)というサービスが有ることを皆さんも聞いたことがあるとは思います。しかし、どういったサービスなのか、詳しくはご存知でしょうか?

  • 介護保険は使えるの?
  • 介護されている人しか使えないの?
  • タクシーだから道で見かけたら拾えるの?

などなどの疑問点に、大阪で介護タクシー(福祉タクシー)開業運営を専門としている行政書士が徹底解説します。

この記事を最後まで読むと、介護タクシーがどんなサービスなのかがわかります。

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介護タクシーとはタクシーの(福祉限定)サービスである

介護タクシーは制度上、体の不自由な方(限定)で乗車させるタクシーです。誰でも使えるわけではありません。

(限定)タクシーですので、利用条件があります。使える人は下記の方に限られます。

介護タクシーを利用できる人の条件

  • 要支援に指定されている人
  • 要介護に指定されている人
  • 障がい者手帳を持っている人
  • その他単独で公共交通機関を利用するのが困難な人
  • 119番や救急安心センターからの紹介があった患者

上記の方を乗せるために下記の設備があります。

  • 体の不自由な方を乗せる設備がある
  • 体の不自由な方を乗せる技術を持った人が同乗している

こういったサービスになります。車椅子のまま、寝たきりの方はストレッチャーで寝たまま移動できるサービスです。

福祉輸送サービスの対象となる旅客の範囲は、以下の①~⑤に掲げる者及びその付添人とする。(以下「要介護者等」という)

①身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者手帳の交付を受けている者
②介護保険法第19条第1項に規定する要介護認定を受けている者
③介護保険法第19条第1項に規定する要支援認定を受けている者
④上記①~③に該当する者のほか、肢体不自由、内部障害、知的障害及び精神障害その他の障害を有する等により単独での移動が困難な者であって、単独でタクシーその他の公共交通機関を利用することが困難な者。
⑤消防機関又は消防機関と連携するコールセンターを介して、患者等搬送事業者による搬送サービスの提供を受ける患者

国土交通省通達 国自旅第169号より引用

上記の決まりがありますので、介護タクシーの一般利用はできません。

体の不自由な方が居ない場合は「タクシーが捕まらないから高くても介護タクシーを使う」というのはできませんのでご注意ください。

家族や付き添いの方も同乗可能

体の不自由な方の付き添い人としての場合のみ、健常者の方も乗車が可能です。

下記の場合は乗車ができないので注意して下さい。

  • 健常者のみの乗車
  • 付き添いの方のみの乗車
  • 定員を超える乗車

健常者の方のみの乗車は出来ません。

例えば、体の不自由な方の付き添いで乗車し、本人を病院でおろして付き添いの方は別の所で下ろすという動きは出来ません。

体の不自由なご本人さんが下りた時点で付き添いの方も下りなければなりません。

逆に付き添いの人数に制限はありません。乗車定員9人のハイエース等の場合は、車椅子の方1名、運転手を除けばあと7名は付き添いで乗車できます。

なので、体の不自由な方1名を含む8名で1台貸し切って観光に使うなども可能です。

ちなみに介護保険タクシーは同乗者が許されていません。

病院の前で待ってる介護タクシーに乗れる?

介護タクシーは制度上、予約なしで乗れません。病院の前で介護タクシーを捕まえても乗ることが出来ません。

勿論街で走っている介護タクシーを手を上げて捕まえてもいけません。

まず電話などで予約を入れて下さい。ほとんどの介護タクシー業者さんは

  • 車椅子やストレッチャーレンタルの有無
  • 電動車椅子であるか
  • 周囲の道の状況
  • 利用者さんの様子

このあたりを確認した上で、適した設備の車を選んでくれるはずです。

目の前の車が条件に当てはまっているなら、予約してそれを配車してもらいましょう。

電動車椅子の場合は、バッテリー込みで車椅子自体が200kgに至る場合があります。

その場合、スロープやリフトの荷重が耐えられない場合があるので、それなりの配車をする必要があります。

介護タクシーは基本的に自費で乗るサービス

現存する介護タクシーの殆どは介護保険外である可能性が高いです。自費で乗るので、行き先などは自由に決められます。

  • 通院
  • 転院
  • 買い物などの日常使い
  • 観光

体の不自由な方が1名以上居ると、使い方については制限がありません。

例えば介護タクシーではない、介護施設の送迎車については、無料ですが施設と家の往復以外は出来ません。病院には連れて行ってくれません。

極稀に介護保険が使えるタクシー(後述)がありますが、ケアプラン内でしか動けないのでこれも自由に行き先が決められません。

事業者として見た介護タクシー

介護タクシーは開業ハードルが低い

介護タクシーの正確な事業名は「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉限定)」と言います。この事業名で役所から許可が下ります。

「福祉限定」と付くことで、一般タクシーより開業要件がユルく設定されています。

一般タクシーの違いとしては

  • 1台から始められる(一般タクシーは5台以上)
  • 軽自動車でも始められる(一般タクシーは電気自動車以外は軽自動車禁止)
  • 自宅兼営業所が可能
  • 運行管理者、整備管理者は営業車4台以下だと資格が必要ない。(一般タクシーは開業時点で必ず必要)
  • 4台以下で始める場合、必要資格は2種免許のみ。
  • 開業資金は300万~500万程度(2人1台から始められる為、必然的に安くなる)

一般タクシーは5台~10台、そしてそれを運転するだけの人数を集めなければ開業できません。介護タクシーは1台2名、更には軽自動車で自宅でも開業出来るので、開業のハードルはかなり低く、かなり低予算開業が可能です。

よければ下記の記事も合わせてご覧ください。

【介護タクシー開業】軽自動車で介護タクシーの開業は可能かを検証
【介護タクシー開業】介護タクシーは自宅を事務所できる?方法を解説

なお、これらを含めた総合的な開業支援や営業許可申請代行については下記の記事もご覧下さい。

大阪・近畿二府四県で介護タクシー開業支援詳しくはコチラ

介護タクシーは乗降介助等オプション料金が頂ける

一般タクシーは基本的に乗客の体に触れる事は出来ませんが、介護タクシーは乗客に触れてサービスを行うことが出来ます。

なので下記のオプション料金を追加メニューにできます。

  • 乗降介助料金
  • 車椅子・ストレッチャーなどの機材レンタル
  • 病院内付き添い
  • フロア移動料金(エレベーターがーない建物など)

一般タクシーは、基本的に乗客を区別してはいけないので、そういったサービスは禁じられています。

なので事故があってもサービス外の出来事になるので、賠償責任保険等での保証もありません。

現在UDタクシー等、車いすが乗せられる一般タクシーもありますが、厳密には乗降を手伝う事が出来ません。

【タクシーの限界】一般タクシーで出来ない事、介護タクシーで出来る事

介護タクシーの仕事内容はきつい?

介護タクシーも介護関連事業になります、介護事業はきついというイメージが付きまといます。

実際にきついでしょうか。弊所関与先の事業者さんから聞く話は下記のようなものです。

  • 訪問介護より人間関係密じゃないから楽
  • 移動時間は実質プライベートタイム
  • 個人事業だと人間関係のもつれがかなり減る

介護事業できついと言われるのは、職場内と利用者間との人間関係がほとんどのようです。

個人事業で介護タクシーだと、この部分が大幅減になるという感想をほとんどの事業者さんは持たれるようです。

勿論、経営をしなくてはならないので売上に追われますが、人間関係より売上に追う方がストレスが低いという方は向いているのではないでしょうか。

開業はこんな人がお勧め

介護保険タクシーの開業がお勧めな人

下記の条件の方がお勧めです。

  • 既に訪問介護を経営している
  • 相乗効果のある他業種を始めたい
  • 他業種だから小さく始めたい

既に始めている事業の付随として始める事がお勧めです。どういった相乗効果があるかについては下記の記事をご覧ください。

【介護タクシー】高齢者訪問介護と同時運営で相乗効果アップ!

福祉限定タクシーの開業がお勧めな人

自費で走る福祉限定タクシーは、下記の条件の方がお勧めです。

  • 一から事業を立ち上げようとしている
  • 個人事業から始めたい。スモールスタートしたい
  • 介護職で独立したいが、事業所を立ち上げるのはハードルが高い
  • 書類をたくさん作らなくてはならないのが嫌

2人と1台で始められるので、一からの事業の立ち上げ、介護職からの独立にはかなり適した事業になっています。

まずは小さく始めて大きく広げる。介護タクシーの開業、ぜひご検討下さい。

介護職から低予算・少人数で独立?介護タクシー事業で介護ノウハウを活かす!

介護保険タクシーは国からお金をもらうので、書類を山のように作らなければならないです。なお、保険適用外の福祉タクシーは報告書は年2枚です。

介護タクシーを始めてみたいけどよくわからない時は

介護タクシーは、介護事業ではなく運送事業になります。運送事業を始めるには、役所の許可を取って始めなくて手はなりません。

  • 何人必要?
  • 車は何台必要?
  • お金はどれくらい必要?
  • 自宅でも始められる?

等など、気になることがあればご相談下さい。専門の行政書士が直接対応させていただきます。下記メールフォーム、LINE、お電話で「初回無料相談希望」と明記の上ご一報下さい。弊所よりご連絡差し上げます。

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まとめ

  • 一般タクシーは増車制限、介護タクシーは増車推奨
  • 福祉限定の縛りがあるお陰で、開業要件が少し緩和される。
  • 介護保険タクシーは介護保険事業、福祉限定タクシーは運送事業
  • 介護事業は法人、福祉限定タクシー事業は個人で始められる。
  • 介護保険タクシーは介護保険の指定を受けている事業者のみ出来る。福祉限定タクシーは福祉タクシーだけで出来る。
  • 介護保険タクシーはケアプランに従って利用する。福祉限定タクシーは予約して自由に利用する。

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