大阪府内で現在「医療的ケア通学支援事業」という事業が行われています。
体の不自由なお子さんの通学の支援を大阪府が補助してくれるという事業になります。
この事業には介護タクシーの協力が必須です。
当事業は、介護タクシーと介護事業者や訪問看護がタッグを組んで行われる事業となります。
一体どのような事業で、誰が対象で、どのような補助が受けられるのでしょうか。専門の行政書士が徹底解説します。
この記事を最後まで読むと、大阪府の「医療的ケア通学支援事業」がわかります。
当記事は、介護タクシー開業・運営に特化した専門行政書士が執筆しています。
日本行政書士会連合会 登録番号21260549
大阪府行政書士会所属 会員番号008156
大阪の通学支援制度について知りたい場合は「初回無料相談希望」と下記LINE、お電話でご一報ください。弊所からご連絡差し上げます。
医療的ケア通学支援事業の概要
介護タクシーに看護師や介護職員が同乗し、医療的ケアが必要なお子さんの通学を支援する事業になります。
つまり、移動を担う介護タクシーと、医療ケアを担う訪問看護の2者が協力して障害を持つ学生を学校へ送迎し、その料金を府が負担するという物です。
大阪府がおこなっていますが、全国的でも行われています。各都道府県が行っていますので「都道府県+通学支援」で検索してみて下さい。
2021年から始まっている事業で、比較的新しい事業なので周知が進んでいません。当然利用も進んでいません。
加えて、利用者が業者を探すのも困難と言われています。
医療的ケア通学支援事業の対象者
府立学校に通っている障害を持った学生が対象です。
下記の条件に当てはまるお子さんは当該制度を使うことが出来ます。
下記のケアが頻繁に必要で、そのために通学困難な状態にある。
①口腔内又は鼻腔内の喀痰吸引
②気管カニューレ内部等の喀痰吸引
③酸素療法や人工呼吸器の管理
④前各号に掲げるもののほか、これらと同等の医療的ケアとして、委員会が認めるもの
大阪府医療的ケア通学支援事業のHPより抜粋
④についての詳細は府への問い合わせが必要です。
なお、府立学校縛りとなりますが、大阪の支援学校はほとんどが府立です。
医療的ケア通学支援事業の対象事業者
下記の2社の協力のもとでこの制度が利用できます。
訪問看護事業者
介護タクシーの乗車中に医療ケアを行うことができる看護師等の同乗が必要です。
なので、看護師が所属する訪問看護ステーションや放課後等デイサービスとの契約が必要になります。
看護師等なので、上記の医療行為を行うことができる介護福祉士等でも可能です。
上記①②の痰吸引については
- 看護師
- 一定の研修を終えて登録した介護福祉士
- 喀痰吸引等研修など一定の研修を終え登録した介護事業従事者
が所属している事業者が可能です。
③の酸素吸入については介護福祉士や介護職員は行えません。看護師でないと行ってはいけません。
介護タクシー事業者
通学するに当たって必要な移動をするための自動車は、道路運送法上の許可を持った事業者が必要です。
つまり介護タクシー事業者でないと通学の支援が出来ません。
介護タクシーの許可を持っていれば、ぶら下がり許可に登録された白ナンバーの自動車でも送迎が可能です。
医療的ケア通学支援事業の有効期限
3年間です。
年度途中で承認の場合は2年後の年度末までです。
3年の学校であれば1回の申請で卒業までは通うことが出来ます。
逆に有効期限が余っても、卒業すれば学生ではなくなるので通学支援事業はその時点で使えなくなります。
医療的ケア通学支援事業の負担率
看護師と介護タクシーの利用料金については全額、府が負担します。
介護タクシーの送迎料金については、距離制・時間制どちらで精算しても良いとのことです。
現在この事業では、時間制での精算で行われることが多いようです。
この事業を行いたい介護タクシー事業者、この事業のために許可を取ろうと考える場合は「時間制運賃」の認可を受けておくことをお勧めします。
支援事業を受けたい場合には申請が必要
制度を利用するには、利用者が業者を見つけて府に申請します。
申請前に主治医からの意見やどの事業者を使うか等を決めなければなりません。
打ち合わせが必要
申請前に
- 学校
- 保護者
- 訪問看護事業者または放課後等デイサービス事業者
- 介護タクシー事業者
- 主治医
上記の面々で、下記の内容について打ち合わせをしておく必要があります。
少なくない関係者での合意で行われる事業なので、取りまとめが大変になります。
①主治医の指示 の内容の確認等
②学校 における 医療的ケアの現認 等
③登下校時 の自宅等及び学校における車両 の 乗降 場所 、協力者、使用準備物品等
④緊急時 等の具体的な措置内容、役割分担及び連携体制 等
⑤その他 必要な事項
大阪府医療的ケア通学支援事業の実施に関する要綱
通学時や学校にいる間に必要な医療ケアが行われる体制があるかどうかが問われます。
必要事項が決まったら書類を作って申請
多くの人が関わり、書類なども出してもらう事が多くなると思いますので、書類作成はかなり大変になるかと思います。
ですが、全額補助というのはなかなか大きいです。役所に問い合わせながら書類を作りきって下さい。
なお、書類の作成代理につきましてはぜひ弊所にご相談下さい。
大阪の通学支援制度について知りたい場合は「初回無料相談希望」と下記LINE、お電話でご一報ください。弊所からご連絡差し上げます。
医療的ケア通学支援事業の問題点
報道でもされていますが、当該制度の問題点は下記の通りです。
- 制度自体が知られていない
- 介護タクシー事業者や訪問看護事業者を探せない
制度自体はCM等がやっているわけでもないので、調べてたどり着かなければ知ることは出来ません。
医療的ケア児の通学支援制度に落とし穴 先進的も利用進まず(産経新聞)
大阪以外の地域でも「都道府県名+通学支援」で検索すると一番上には出てきますが、まず検索する所にまでたどり着きません。
仮にたどり着いて利用しようとしても、介護タクシー事業者や訪問看護事業者を探さなければなりません。
身近な事業者ではないので、良し悪しは全くわかりません。
このようなハードルがあり、なかなか多くの利用に結びつかないのが現状です。
介護タクシー事業者としてのアプローチ
介護タクシー事業者としてはこの制度を
- 訪問看護事業者
- 放課後等デイサービス事業者
上記の事業者と組んで行うので、上記2事業者に提携を呼びかけ、パッケージにして利用者に提案するのがわかりやすいです。
放課後等デイサービス事業者については、デイサービスの利用者がこの事業の利用対象になる可能性もあります。
週5日登下校になると、安定収入につながることも考えられます。
利用者側からとしても、訪問看護事業者とタクシーとがセットで制度とパッケージで持って来られたら検討がし易いと思います。
両方の許可を持っている場合は1社で対応できる
かなりの例外ではありますが、訪問看護事業と介護タクシー事業の両方を持っていると1社で対応可能になります。
弊社の関与した事業者様の場合ですと
- 放課後等デイサービス事業者
- 看護師所属
- 介護タクシー許可取得
上記3つを満たし、通常は訪問看護事業者と介護タクシー事業者の2社の協力が必要な所、1社で対応出来ます。
これはかなり大きなアドバンテージになります。
すでに訪問看護を経営している、デイサービスを経営している場合は介護タクシーの許可を追加で取るとこの制度をかなり柔軟に使うことが出来ます。
大きめの許可を2つ取ることになるので大変ですが、介護タクシー事業の単体でも伸ばすことが可能です。
- 介護タクシー+訪問看護
- 介護タクシー+放課後等デイサービス
相乗効果の高い上記事業のコンビネーションをぜひご検討下さい。
なお、介護タクシーと相乗効果の高い事業については下記の記事ご参照ください。
介護タクシー+訪問介護事業詳しくはコチラ
介護タクシー+障害者居宅介護詳しくはコチラ
訪問看護や放課後等デイサービスに加えて介護タクシーの許可も取りたい等の場合は「初回無料相談希望」と下記LINE、お電話でご一報ください。弊所からご連絡差し上げます。
通学支援の申請が難しいと思ったら
通学支援の申請について
- 難しい、どうして良いかわからない
- 業者が見つからない
- なんの書類を集めたら良いか全くわからない
- どこに出せばよいかわからない
- 自分の子がこの事業の対象かわからない
等の場合、行政書士オフィスたかはしでは書類作成代行も承っています。
書類作成についてつまずいたなどの場合は「初回無料相談希望」と下記LINE、お電話でご一報ください。弊所からご連絡差し上げます。
まとめ
- 医療が必要なお子さんの通学支援事業が大阪及び全国でやっている
- 介護タクシーと訪問看護の2社協力が必要
- 両方の許可を持っていると1社でも当たれる
- 障害者福祉と介護タクシーは相乗効果が高い
訪問看護に加えて介護タクシーの許可も取りたい等の場合は「初回無料相談希望」と下記LINE、お電話でご一報ください。弊所からご連絡差し上げます。
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下記に当てはまるなら「初回無料相談」ご検討下さい
- 介護タクシーの開業を検討している
- 訪問介護・看護の他に介護保険外のサイドビジネスを考えている
- 障害者福祉事業の他に国保連外のサイドビジネスを考えている
- 介護のスキルを活かして独立したいと考えている
- 開業したいけど何が必要かよくわかっていない
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- 現在介護事業を行っていて、サイドビジネスを考えている
- いつも頼んでいる介護タクシーの予約が取りにくい、自前で1台持ちたい
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