介護タクシー開業の欠格要件

介護タクシーの開業申請書書いてみたその7は、欠格事由に当てはまっていない事の宣誓です。

建設業なんかではよく出てくる欠格事由ですが、介護タクシーにもそれはあります。

これに当てはまって居た場合は介護タクシーの開業が、期間が終わるまでできません。

宣誓書にはその具体的な理由が何かは書いていないので、条文を手がかりに解説させていただきます。

宣誓書

宣誓書はご覧の通り、日付名前住所生年月日を書くだけで終わります。

「とりあえず名前書いとけ」は良くないので、これがどういう内容なのかざっとでいいんで知っておけば、不安が減ります。

「道路運送法第7条の規定に該当しません」としか書いていません。道路運送法第7条とはどんな法律でしょうか。

道路運送法第7条(欠格事由)

道路運送法第7条(欠格事由)

国土交通大臣は、次に掲げる場合には、一般旅客自動車運送事業の許可をしてはならない。

道路運送法より抜粋

道路運送法は運送業全てにわたる法律なので、これに該当すると介護タクシーどころか一般タクシー、ハイヤーも許可が下りません。全部で8項目あります。

では解説します。

1,禁錮または懲役から5年

一、許可を受けようとする者が一年以上の懲役または禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年が経過していない者であるとき。

道路運送法第7条1項1号

色んな法律に「禁錮以上」ってフレーズがよく出てきますので整理しておきますと

死刑>懲役>禁錮>罰金>勾留>科料

の順番です。死刑になった人は開業もあったものではないので、ここでの問題は実質懲役と禁錮です。

運送業で特に気をつけなければならないのは交通関係です。過失運転致死罪は禁錮の可能性、飲酒運転は下手すれば懲役の可能性があります。

法律によると禁錮懲役が終わってから5年に加え「執行を受けることがなくなった日」とあるので、つまり執行猶予期間が終わってからも5年は開業できないということです。

2,かつて運送業で取消を受けた人

二、許可を受けようとする者が一般旅客自動車運送事業または特定旅客自動車運送事業の許可の取消を受け、その取消の日から5年を経過していない者。

道路運送法第7条1項2号

かつてタクシーなどの旅客運送業の許可を受けて営業し、なんらかの理由で取消を受けた人は、取り消しを受けてから5年以内は新しく許可をもらうことができません。

3,かつて運送業許可取消を受けた人が実質支配する体制

三、許可を受けようとする者と密接な関係を有する者の株式の所有その他の事由を通じて当該許可を受けようとする者の事業を実質的に支配し、もしうくはその事業に重要な影響を与える関係にある者が、一般旅客自動車運送事業または特定旅客自動車運送事業の許可の取消を受け、その日から五年の経過をしていない者であるとき。

道路運送法第7条1項3号

妙に条文が長いですが、なるべく簡単にすると・・・。

許可を申請する人を実質的に支配する人(株主や出資者など)が前項の「かつて運送業で取消を受けた人」に該当している場合です。すごく端折って説明しますが

・議決権を半分以上持っている人
・持分会社(合同会社など)の資本金を半分以上出資している人
・親会社の議決権を半分持っている人
・親会社が持分会社の場合、その資本金を半分以上出資した人
・それと同等の支配力を持っている人

詰まる所、かつて運送業許可の取消を食らった人が、新しく子会社を作って出資、言うこと聞く人を代表にして申請をさせるという事はダメということです。

逆に、許可を受けた人の下で働くということは妨げはありませんが、実質支配してしまわないようにしましょう。

4,聴聞通知を貰って処分の日までに廃業した人

四、許可を受けようとする者が、一般旅客自動車運送事業または特定旅客自動車運送事業の許可の取消の処分にかかる行政手続法第十五条の規定による通知があった日から当該処分をする日または処分をしないことを決定する日までの間に第三十八条第一項もしくは第二項又は第四十三条の規定によ事業の廃止の届け出をした者で、当該届出の日から五年を経過していないものである時。

道路運送法第7条1項4号

許可の取り消しというのはいきなりされません。まず聴聞通知という「お前の許可取り消すつもりだけど、なんか申し開きはあるか?」というお知らせが来ます。

反論があれば聴聞してくれます。

取消における聴聞の通知が来て、聴聞の前に廃業したから取消になっていないのでセーフ!というわけにはいかないという条文です。

この聴聞の通知が来た時点で欠格期間は免れない考えるのが正しいかもしれません。言い分があるなら聴聞でちゃんと主張した方がいいです。

この場合、欠格期間のスタートは廃業届の日になります。

5,検査・報告の結果、聴聞が決まった日までに廃業届を出した

五、許可を受けようとする者が、第九十四条第四項(報告、検査及び調査)の規定による検査が行われた日から聴聞決定予備日までの間に第三十八条第一項もしくは第二項又は第四十三錠第八項の規定による事業の廃止の届け出をした者で、当該期間の届け出の日から五年を経過していない者であるとき。

道路運送法第7条1項5号

この条文はつまるところ

行政から検査が来た、または報告命令が来た

検査結果や報告の結果、違法の疑いがあり「聴聞に来い」となった

聴聞行く前に廃業しちゃえ

という流れで、廃業した人についてはやはり5年間、新規でタクシーの営業許可を出さないということです。

やはり、聴聞通知が来た時点で欠格期間は免れないということです。

6,聴聞通知を貰う前60日以内に役員をやっていた

六、第四号に規定する期間内に第三十八条第一項(事業の休止及び廃止)もしくは第二項又は第四十三条第八項(特定旅客自動車運送事業の休止廃止)の規定による事業の廃止の届け出があった場合において、許可を受けようとする者が、同号の通知の日の前六〇日以内に当該届出に係る法人の役員であったもので、当該届出の日から五年を経過していないもの。

道路運送法第7条1項6号

4つ目の「聴聞通知を貰って処分の日までに廃業した人」の、廃業届を出した日より前60日の間に、その法人の役員をやっていた人は、5年新規開業できません。

聴聞通知が来たのに、聴聞もせずに廃業しちゃった!というパターンは、結構悪質と取られるので、廃業を届けた日からさかのぼって60日の間にその法人の役員だった人までアウトです。

廃業届の日から5年は新規タクシーが立ち上げられません。

7,未成年が開業する場合、その保護者が欠格要件に当てはまっている

七、許可を受けようとする者が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年である場合において、その法定代理人が前各号(第三号を除く)又は次号の・いずれかに該当する者であるとき。

道路運送法第7条1項7号

介護タクシーは未成年も開業できますが、今回8項目のうち3以外の7項目のどれかに保護者が当てはまっているとアウトです。

役員の場合ならその人を別のポジションにすればいいですが、法定代理人はほぼ親なので変えられません。5年待たなきゃいけないとなるとなかなかにシビアです。待っているうちに成人してしまいそうです。

8,法人の場合、役員に就く人がどれかに当てはまっている

八、許可を受けようとする者が法人である場合において、その法人の役員が前各号におのいずれかに該当する者であるとき。

道路運送法第7条1項8号

法人の場合は申請を行う代表の人だけではなく、役員の人もこの要件に当てはまっていると許可が下りません。

人事を考え直す、新しい人を探す、期間が明けるまで待つなど、余計な時間と手間が増えます。なるべくそういった事は避けたいです。

宣誓であり証明まで求められない

これはあくまで宣誓書なので、欠格事由に反していない証明書類を添付しろと言われたり、身辺調査をされるなどということは、よほどの事が無い限り無いと考えていいでしょう。

あるとすれば何か問題が起こった時になると思います、問題が起こった時に調査などが入り、欠格事由に当てはまっている事が発覚して、そのまま許可の取り消しや、処分になるというパターンが有りえます。

罰則

道路運送法 第97条 (罰則)

次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、一年以下の懲役若しくは百五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(中略)
第40条の規定による輸送施設の使用の停止又は事業の停止の処分に違反した時。

道路運送法 第40条 (許可の取り消し等)

国土交通大臣は、一般旅客自動車運送事業者が次の各号のいずれかに該当する時は、6月以内において期間を定めて自動車その他の輸送施設の当該事業の為の使用の停止若しくは事業の停止を命じ、又は許可を取り消す事ができる。
(中略)
三、第七条第一号、第七号、第八号(欠格事由)に該当することとなったとき。

道路運送法より抜粋

法律は○○条参照→○○条参照みたいに参照先がめっちゃ増えるとややこしくなってきます。

欠格要件1、7、8については、最悪許可の取消に至るので気をつけましょう。

そして「許可取り消されたのに営業続けてたヤツは罰金懲役な」という事です。

ただ取り消されただけでは罰則はないですが、施設の利用停止、営業停止、許可の取消などの命令が出てもそれに背くと罰則です。懲役になると1項目目に当てはまってしまい、懲役が終わって5年は介護タクシーもタクシーもできなくなります。

次回第8回は、役員になる場合の法令遵守です↓↓

まとめ

・欠格要件8項目に当てはまっていないことを宣誓!
・当てはまっている場合、役員と代表、個人事業主なら申請者になれない!
・役員なら人事を変える。個人事業主なら期間が終わるまで待つ!
・事業をやっている人の下で従業するのは妨げない。
・許可の取消しを食らっても続けていると罰金懲役!

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