開業準備の段階で、依頼者様から必ず質問を頂くのが、営業車のプライベート使用は可能かという点です。
- プライベート用に使っていいの?
- メーターオンしないで家族運んでも良い?
- 個人タクシーはプライベート使用している人見るけど
実際の所「営業車」を営業以外に使って良いのでしょうか。専門の行政書士が徹底解説させていただきます。
この記事を最後まで読むと、営業車をプライベートでどこまで使って良いかがわかります。
当記事は、介護タクシー開業・運営に特化した専門行政書士が執筆しています。
日本行政書士会連合会 登録番号21260549
大阪府行政書士会所属 会員番号008156
介護タクシー営業車の自家使用について更に詳しく知りたい場合「初回無料相談希望」と下記LINE、お電話でご一報ください。弊所からご連絡差し上げます。
原則は介護タクシー営業車をプライベートに使ってはいけない
まずは結論から申し上げますと、営業車のプライベート使用については「しないで下さい」というのが運輸局の回答です。
ただし、これについては法的根拠の明示がありません。「事業用自動車を私用してはならない」という条文はありません。罰則もありません。
運輸局の見解としては事業用自動車の定義が下記であることで「緊急時以外は事業用以外には使わないで下さい」という事です。
道路運送法第二条第八項より
事業用自動車(自動車運送事業者がその自動車運送事業の用に供する自動車をいう。)
逆に言うとこの程度しか法的根拠はないですが行政側に問うと「使わないで下さい」という回答がくるという状況にあります。
つまりこれは「行政指導」がベースになっているというのが弊所の見解です。
行政指導とは
行政指導とは「法的根拠がないけど役所から民間に協力をお願いする」というお達しです。
よくニュースなどで「行政指導が入った」などと大々的に流されますが、これはあくまで「指導」です。
従わなくても不利益な事はありません、不利益なことをすると役所が罰せられます。
行政手続法第三十二条
1,行政指導にあっては、行政指導に携わる者は、いやしくも当該行政機関の任務又は所掌事務の範囲を逸脱してはならないこと及び行政指導の内容があくまでも相手方の任意の協力によってのみ実現されるものであることに留意しなければならない。
2,行政指導に携わる者は、その相手方が行政指導に従わなかったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
強制力はないので即罰せられる事はない
介護タクシーの営業車をプライベート使用していた事が発覚して、即罰せられるような事はありません。罰する事が出来る条文はありません。
ただ、役所がお願いしてくるという事は、これ以上何か事件が起こった場合は条文化される一歩手前といった所かと推測されます。
現場レベルでプライベート使用はなるべく避けて下さいという呼びかけを行っているというのが現段階かと思われます。おそらくトラブルが多いのかと思います。
なお、介護タクシーの事業を行う上で罰則のある行為については下記の記事もご参照下さい。
軽貨物(黒ナンバー)の場合
同じ黒ナンバーでも軽自動車の貨物運送の場合は、自家使用については容認されています。
Q、自家用と事業用の兼用を認めてもらいたい。
A、貨物軽自動車運送事業の事業用自動車を自家用として使用することを妨げるものではございません。
という回答が国土交通省より出ています。黒ナンバー軽貨物については、プライベート使用することには全く問題がないです。
現在、制度的に黒ナンバーがついている自動車は
- 軽自動車の介護タクシー
- 貨物軽自動車運送
- 一般タクシーの軽自動車EV車
主にこの3種類となっています。
個人タクシーの場合
個人タクシーの場合は、ダッシュボードにある表示板に「自家使用」と表示させておくことで、プライベート使用が可能です。
ただし、無制限に使える物ではありません。個人タクシーの方も原則として下記のルールがあります。
- 家族を乗せる時もメーターをオンする
- または自家使用として表示する
「回送」表示をして自家使用していた所、トラブルが多発したという経緯があります。
なので、メーターオンにして「賃走」「実車」表示にするか「自家使用」の表示にする事が公示されています。
その上で「自家使用することは好ましくない」という見解も出されていますので、無制限に使用する事は避けた方が無難です。
ベストはメーターオンにして、自分で自分に運賃を払ったという処理を行うことです。
介護タクシー事業の罰則について更に詳しく知りたい場合「初回無料相談希望」と下記LINE,、お電話でご一報ください。弊所からご連絡差し上げます。
介護タクシーは個人事業でも個人タクシーではない
介護タクシーは個人事業主として開業出来ますが、実は法制度上、個人タクシーではありません。
介護タクシーは法的に「法人タクシーの福祉限定」という立ち位置になります。
なので、基本的には法人タクシーの法律に従う必要があります。
好ましくないと言いながらも例外中の例外としてなんとか認められている「自家使用」表示でのプライベート使用についても、介護タクシーは適用外です。
介護タクシーの営業車をプライベート使用するデメリット
プライベート使用するデメリットとしては下記が考えられます。
- 法令について微妙な立ち位置である
- 今後厳禁の方向で法改正が入る可能性がある
- 任意保険が下りない可能性がある
- 事故に遭っても代車ができない
法令については前述の通りです。
任意保険については、緑や黒の営業車ナンバー契約になっていると思います。
あまりないとは思いますが、事業用契約車をプライベートで使って事故にあった場合、保険が下りないなどのことが無いとは言えません。
この辺は任意保険代理店さんと保険契約についてちゃんと話し合っておく必要があります。
大体の保険契約は私用であろうが営業中であろうが事故にあったら保険がおりる契約になっているとは思いますが、そうではない物がないとは言い切れません。注意して下さい。
なお、事故にあって自走不可になった場合、自家用車なら代車を貸してもらったり出来ますが、黒・緑ナンバーは代車がききません。
プライベート使用して、走行距離が増えると事故率も増えます。運送以外で走らせる事は極力控える事が望ましいです。
営業ナンバーの代車をしてくれる業者もある
営業ナンバーの代車については、仮に可能であるとしても手続きがかなり煩雑です。
これらの事を行ってくれる業者も存在するようですが、手続きが煩雑という事は払う手数料やリース料も高額になることが予想されます。
余計な出費をしないためにも、やはり営業車のプライベート使用は避けるのが無難です。
なお、上記は貨物トラックに対応している業者がほとんどで、この手の業者で介護タクシーの車両に対応してくれる業者があるかどうかについては未確認です。
【結論】基本的にはプライベート使用はしない方が良い
以上のことにより、介護タクシー営業車のプライベート使用は、しない方が良いという結論です。
「してはいけない」とまで強く言い切れないのが現状です。
もし今後、介護タクシーや一般タクシーで営業車を自家使用していてなにかトラブルが有りニュースにに発展した場合、法改正が入る可能性がある一歩手前まで来ていると思います。
法改正が入ってから自家用と営業用の車両を両方確保するのは経済的にも負担が大きいと思います。
なので、今のうちから分けておいて、何かあった時の為に準備しておくのが吉です。
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まとめ
- 介護タクシーの営業車プラーベート使用はしない方が良い
- 法令で厳禁となっているわけではない
- 個人タクシーと同じルールは適用できない
- 任意保険の契約に注意
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