一台から開業できる?レンタカー事業

レンタカーをよく利用しますが、逆にレンタカー事業を自分で行うことは出来るのでしょうか。

  • トラックいっぱい持っているけど貸し出せる?
  • 何台くらい用意しておけばいい?
  • 兼用で使える?

などの疑問が湧いてきます。

レンタカー業を始めるにも許可が必要です、ではどのような条件、どのような手続きで開業できるのでしょうか、専門の行政書士が解説させていただきます。

この記事を最後まで読むと、レンタカー業の開業の仕方がわかります。

尚、弊所はレンタカー業の申請サポート、書類作成、申請代行、レンタカーの車両登録まで報酬55,000円で承っております。

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レンタカー業を開業するための最低4条件

レンタカー業は正式名称「自家用自動車有償貸渡業」と言います。

レンタカーを開業するには、自家用自動車有償貸渡業許可が必要です。

レンタカーは下記の条件で開業ができます。

  • 10人以下乗りの乗用車1台以上
  • それ相応の任意に保険に加入している
  • 開業する人が2年以内に白タクや白貨物で捕まっていない
  • 開業する人が2年以内に運送業を経営、役員をやっていて処分を受けたりしていい

なお、これ以外にも条件はあります。下記詳細解説させていただきます。

自動車1台以上・リース可

レンタカーは1台、リース車両でも許可が取れます。

レンタカーと言えば大手のトヨタやニッサン、ニッポンレンタカー等を思い浮かべ、そこそこの規模がないと難しいと錯覚してしまいますが、1台からでも開業出来ます。

少ない台数から始め、徐々に増車していくというビジネスが可能になります。

リース車両でも許可が取れます。ただし、リース車両をレンタルということは又貸し(転貸)になりますので、リース契約書に転貸契約を書いておかないと規約違反になります。

当然ですが、リース屋さんとの契約時に「レンタカーに使う」という事を言って、契約の条文に加えてもらいましょう。

マイクロバスだけには要注意

マイクロバス(11人乗り以上)の車については、レンタカー業2年の経営実績がないと増車を認めてくれません。

つまり、開業一発目からマイクロバスを保持することが出来ないので、マイクロバスを扱いたい場合は2年計画を立てる必要があります。

余談ですが、マイクロバスの貸出と同時に運転手を派遣してはいけません。そうなると完全に旅客運送業になるので、これは固く禁じられています。

過去のこのような事をされていた方が多く居たのか、運輸局の通達で繰り返し禁じられていました。巡回指導や監査も来ますので絶対やらないようにして下さい。

レンタカーのナンバープレートは白です。運送業ではありません。

車と一緒にガイドさんや運転者を派遣したい場合は、緑ナンバーの旅客運送業の許可を取得しましょう。

レンタカー業の営業所と車庫の決まり

営業所と車庫については下記の決まりがあります。

  • 営業所と車庫の距離は2km以内
  • 車庫から車両がはみ出さない大きさ
  • 前面道路が狭すぎない

これらの決まりに注意して物件を探して下さい。

営業所についてはオフィスとして体をなしていれば、特に面積規定等はありません。

車庫については狭いと許可は下りず、前面道路も狭いと許可はおりません。

元々車庫として使われている月極駐車場である場合は許可が取れる可能性はありますが、運輸局や自治体との相談が必要な場合もあります。

そうなる場合は是非弊所へご依頼いただけましたら代行して役所との折衝も行わせていただきます。

一定以上の保障の任意保険に加入している

下記の補償以上の任意保険に入る計画が必要です。

ア、対人保険 1人当たり 8,000万円以上
イ、対物保険 1人当たり 200万円以上
ウ、搭乗者保険 搭乗者1人当たり 500万円以上
(搭乗者が補償対象となる人身傷害保険も含む)

近畿運輸局 レンタカー業許可の審査基準より

ただ、ほとんどの業者さんについては対人対物搭乗者無制限のパターンが多いです。

禁錮以上の刑に処せられて2年以内

禁錮以上の系に処せられて、刑を受け終わってから2年以内はレンタカーを開業できません。

尚、執行猶予の場合は猶予期間が終わったらOKです。

運送業で無許可営業をした

白タクや白貨物、つまり許可を取らないで人や荷物を運んでお金をもらって捕まったということです。

業法違反になりますので、これをすると2年~5年はレンタカーや他の運送事業の開業が出来ません。

2年以内に運送事業者を経営してなんらかの処分された

レンタカー事業を始めようとする2年前以内に、他で運送業の経営をしていて(役員をやっていて)下記に該当する場合許可が下りません。

  • 許可の取消を受けた
  • 取消を受ける前に廃業した
  • 取消をするかの聞き取り調査の通知が来たから廃業した

つまり「廃業したから取り消されないもん」は通用しないです。

聞き取り調査(聴聞)の通知が来た場合には、ちゃんと応じましょう。応じる前に廃業すると2年は許可取れない事が確定です。

尚、これらに該当する人が

  • 事業者
  • その事業者が法人である場合は役員
  • その事業者が未成年である場合の法定代理人

この場合も許可が下りません。事業者自身でなくても、その人が実質支配する体制だとアウトです。ただの従業員として雇われる場合はセーフです。

一定以上の条件で整備士が必要

下記の条件の場合は「整備管理者」を選任する必要があります。

  • 10人以下の乗用車10台以上
  • 11人以上乗りのマイクロバス1台以上

マイクロバスについては1台でも導入と同時に整備管理者は必ず必要になります。

整備管理者になるには

整備管理者に選任するには下記の条件が必要です。

  • 3級以上の整備士資格を持っている
  • 整備工場で2年の整備実務経験+整備管理者研修の修了

尚、3級整備士についても受験のために実務経験が1年必要です。なので事業者の方や社長自身が取りに行くのはあまり現実的ではありません。

10台になるタイミングを目処に人員の確保、求人して雇用をする事が必要になります。

中古車をレンタカーにする場合は古物商が必要

中古車を買ってレンタカーにする場合は、古物商が必要になります。

古物商は、販売だけでなく交換(貸与)も対象になりますので、古物商が無い状態で中古車を買って貸し出すと無許可営業になってしまいます。

メルカリなどの隆盛で、古物商無許可の取り締まりが強化される可能性があります。

古物商自体は難しい許可ではないので、中古車で始める計画の場合は必ず取っておくようにして下さい。

なお、古物商許可は申請から取得まで40日程度かかりますのでスケジュールにご注意下さい。

レンタカー業許可のための準備

レンタカー開業のためには、運輸局に許可のための申請書を提出します。

申請書を書く前に準備が必要です。

法人の場合は登記簿謄本の準備

登記簿の目的に「自家用自動車有償貸渡業」などのレンタカー業にまつわる記載を追加して下さい。

既に書いてある場合は登記簿を法務局で取って添付するだけでOKです。

これから追加しなければならない場合は司法書士に登記簿の目的追加を依頼して下さい。

graph TB A[臨時株主総会を行う]--> B[株主総会で目的の追加を決議する]--> C[株主総会議事録を作る]--> D[総会議事録を持って登記簿を変更]

司法書士へ依頼すると、上記の手順で登記簿を書き換えてくれます。

これらの手順に1ヶ月程度は見ておいた方が良いので、開業したい場合はスケジュールに注意して下さい。

個人事業で行う場合は住民票

個人事業でレンタカー業を行う場合は、住民票を添付すればOKです。

法人と違い、目的の追加等必要ありません。市役所で自分の住民票を取って、申請書に添付するだけで足ります。

貸渡約款の作成

貸主と借主のルールブック、貸渡約款を作ることが必要です。

一般的なもので良いですが、レンタカーの貸渡約款については国土交通省で標準約款のようなモデル約款がありません。

1から作るか、他社の物と似たようなものを作るかをしなくてはならないです。

どんな約款を作っていいか全くわからない場合、弊所で雛形を提供しつつ、依頼者様に合った形に変えて約款を作る事をやっています。宜しくご利用下さい。

貸渡料金表の作成

料金表を作成して添付しておく必要があります。

軽自動車コンパクト乗用車トラック
3時間まで
6時間まで
12時間まで
24時間まで
以降24時間毎に

レンタカーを利用するときによく見る上記の表を作成して許可申請書に添付します。

レンタカーの料金についても、国交省で定められた標準料金のようなものはありませんので、周囲の業者等を見るなどして独自で決める必要があります。

乗用車でも高級車と普通車の料金ランクを分けている等の業者様も多く見られます。そういった形態も可能です。

レンタカー業許可のための申請書を書く

申請書を書きます。準備が終われば申請書は全部埋められます。今回は

  • 株式会社オフィスたかはし
  • 代表取締役 高橋健治
  • 乗用車1台

上記の条件で申請書を書いていきたいと思います。

自家用自動車有償貸渡許可申請書

レンタカー申請書の自家用自動車有償貸渡許可申請書

申請書表紙については、名前住所、営業所の位置を書くだけになります。

「4,貸渡しを必要とする理由」についても、そのまま書いて下さい。公序良俗に反しないような理由であれば、そこで何かを問われるような事はありません。

事務所別車種別配置車両数一覧表

レンタカー申請書の事務所別車種別配置車両数一覧表

予定する車両の数を書いて下さい。

車庫は営業所に関連付けられていますので、営業所所属の車庫が複数あってもその合計を書いて下さい。

本社営業所に所属している車庫が2か所ある場合、2か所の合計の台数を書いて下さい。

尚、営業所から車庫までの距離については2km以内でなくてはなりません。

法令遵守の宣誓書

レンタカー申請書の宣誓書

上記「開業のための条件」で記載しました事について、該当していない事を宣誓します。

宣誓なので証拠書類等は求められませんが、後からこれらが発覚した場合は許可が取り消されても文句は言うなよという意味合いの書面になります。

貸渡しの実施計画

レンタカー申請書の貸渡しの実施計画

①事務所ごとに配置する責任者

単独事務所なら自分の名前でOKです。

複数事務所の場合、兼任は出来ませんので責任者の方を1人配置して下さい。

②及び(2)自動車運送事業類似行為とは

繰り返し「禁止です」とされている自動車運送事業類似行為とは下記の行為になります。

  • 車を貸し出す
  • 運転者を派遣して運転させる

これらを複合的に行うと、実質「お金をもらって人(または荷物)を運ぶ行為」となり、運送業に類似する行為になります。

これを行う業者が後を絶たないようで、運輸局の通達にも固く禁止と書いてあり、定期巡回もあるそうです。

  • ②については、これをやらないように従業員に研修を行うこと
  • (2)については、運転手の斡旋をしないこと

という趣旨の事が書いてあります。車と運転手を同時に派遣したい場合は、旅客自動車運送事業の許可を取りましょう。

保険の加入状況・加入計画

申請の時点では計画段階でOKですが、任意保険には必ず入らなければなりません。

上記で解説した補償額以上の保険に加入する計画を書いておいて下さい。

保険証券のコピーの添付までは求められませんが、加入は義務になります。必ず加入して下さい。

整備管理者(整備責任者)の配備計画等

整備管理者を下記の条件で選任して下さい。

  • 10台未満:誰でも
  • 10台以上:整備士または実務経験者

詳細は前述していますが、10台以上になると実務経験や資格保持者、研修修了者が必要です。

役割としては無資格の場合、日々の簡易な点検と法定点検や車検の外注の管理責任者です。

整備士の場合は勿論自分で整備を行ってもOKです。

申請書を書き上げたら運輸局へ申請

申請書と添付書類が集まったら、開業予定の営業所を管轄する運輸支局に申請して下さい。

大阪だと大阪運輸支局が寝屋川市にあります。各県に支局が必ず一つありますので、そこの輸送部門に申請します。

尚、申請から許可までは概ね30日です。こちらもスケジュールには注意して下さい。申請からすぐ許可が下りません。

レンタカーの開業についてよくわからない時は

  • レンタカーの開業の手続きがよくわからない
  • どこに出しに行けば良いかわからない
  • 貸出約款をどう作ればいいかわからない

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まとめ

  • レンタカーは1台から開業できる
  • リース車両でも契約次第ではレンタカーに出来る
  • 9台までは比較的楽に増やせる
  • 10台以上やマイクロバスを扱う場合は整備士が必要

まずは開業までの手順を知りたい、手順や条件を知ってから判断したい段階でもお気軽にご連絡下さい。

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