運送事業は許可事業ですので、何かを変えようとする時は役所に言わなければなりません。
- どんな時に言えばいいの?
- 言ってダメって言われる時は?
- 審査ってあるの?
等の疑問が湧いてきます。
基本的には役所で審査がされますが、届出だけでいいことも結構あります。車を増やす時もそうです。
どんな時に許可や認可になり審査があって、どんな時が届出でいいのでしょうか。専門の行政書士が徹底解説します。
この記事を最後まで読むと、どんな時が届出でいいのか、届出だけで良い時の増車方法がわかります。
自動車・運送業手続行政書士髙橋です。自動車手続きは大阪・運送業支援は近畿二府四県対応しています。
日本行政書士会連合会 登録番号21260549
大阪府行政書士会所属 会員番号008156
尚、弊所は車庫増床が無い増車届については報酬44,000円で行っています。その他軽微な変更届についても22,000円~で行っております。下記LINEまでお問い合わせ下さい。
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許可・認可と届出の違い
認可と届出の違いは下記のようになります。
- 届出は届出て受理されたら有効
- 認可は申請して審査があり、認められたら有効
尚、運送業については「許可」です、許可と認可の違いですが法律的意味合いの違いです。
事業者様にとっては
のフローは同じです。
運送業で何が認可で何が届出になるのか
許可・認可
- 営業を始める
- 営業所を移動させる
- 車庫を移動させる
- 車庫を拡大する
届出でいいこと
- 事業者の住所を変える
- 事業者の名称を変える
- 事業者の氏名が変わる
- 代表者が変わる
- 役員が変わる
- 営業所の名前が変わる
- 車の種類と数の変更(車庫に収まる範囲内)
上記の変更がある場合は、届出か許可・認可どちらかが必要です。
営業所や営業所や車庫を移動させたり増やしたりするのは、営業所や車庫に守らなければならない決まりがあるので、その審査のために認可になります。
届出の物については、それが変わった所で守らなければならない決まりには影響がないものです。
許可・認可が必要な変更
運送業を始める
運送業を始める時は営業許可が必要です。
営業に必要な設備、人員、資金などの審査があります。
審査期間は3~5ヶ月と言われています。
許可を受けないで荷物を運んでお金をもらうと無許可営業に付き、罰則が懲役まであります。
車庫・休憩所・営業所の移動
事業計画変更の認可が必要です。
各施設については要件があります。
車庫や休憩所については一定以上の面積
車庫・休憩所・営業所については一定以上の距離内
これらの決まりに合致しているかの審査が必要なので、認可になります。認可ということは要件にあってないと認められないということです。
車庫の拡大
車庫の拡大については事業の拡大とみなされ、事業計画変更認可が必要です。
これから車を増やしたい等の場合は、車庫をまず拡大させますが、車庫については要件がありますので、審査があります。
これについても1~2ヶ月かかりますので、増車がしたいと思い立ってすぐ車を増やせません。
車を買って、置く車庫が無いとなると他方が困りますので、計画的に増車を進めていきたいです。
届出でいいこと
代表者の氏名・住所の変更
届出でいいですが、届出義務がありますので忘れないで届出て下さい。
- 代表者が変わる
- 代表者が結婚して苗字が変わる
- 会社名が変わる
- 会社の住所が変わる
- 役員が交代する
- 営業所名を変える
- 減車
- 既に車庫が大きい場合の小規模な増車
これらのことについては、変わっても決まりに影響がないので届出だけでOKです。
本社の位置と貨物の営業拠点である営業所が別である場合、本社の位置が変わっても特に影響がないので届出でOKです。
本社と営業所が同じ位置で、同時に移動するとなると認可になります。
営業所名とは「本社営業所」が「守口営業所」と名前を変えるような場合の届出です。
既に車庫が空いている場合の増車は届出で良い
増車は認可が必要なので時間がかかりますが、下記の条件の場合は届出だけで増車が出来ます。
- 車庫が既に大きく空いてる所がある
- 11台以上だが小規模の増車である
- 増車前は10台以下である
上記の場合ですと、増車は届出だけで可能になります。
車庫が小さく、車がもう入らない、車庫を大きくしなければならないとなると、車庫拡大には認可が必要です。
車庫が空いていても増車が認可になる場合
車庫が大きくても11台以上持っている業者が大規模に営業車を増車する場合は認可になります。具体的には
3ヶ月前の保有車両の30%以上車両が増える
というルールになります、例としては下記の表ようになります。
10台以下から増車 | 届出 |
11台保有で3台増車 (27%増車) | 届出 |
11台保有で4台増車 (36%増車) | 認可 |
11台保有 1月→2台増車 2月→2台増車 | 1月は届出 2月は認可 |
11台保有 1月2台増車 4月2台増車 | 1月は届出 4月も届出 |
10台以下であれば30%以上増やしても届出で済みます。
11台以上でも3ヶ月以上あけて少しずつ増やせば届出で済みます。
3ヶ月前の保有車両が基準になりますので、少しずつ増やしても3ヶ月前の保有車両から30%以上増えてしまえば認可になります。
増車届出の手続き方法
下記の条件で申請書を記入していきます。
- 車庫は既に広い
- 車庫2か所
- うち1か所に1台増車
事業計画変更届出書の表紙
☑事業用自動車変更届出書
チェックを入れます。車庫拡大の時は認可申請書にチェックしましたが、今回は増車のみなので届出書にチェックを入れます。
☑⑤各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数
チェックを入れます。
あとは名前や社名、住所を書くだけですので難しい所はありません。
1.各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数
新旧対照表のような形になっています。
左が新、右が旧ですので間違えないように気をつけて下さい。
車庫が2つに分かれていても、本社営業所所属の車庫の場合なら本社営業所にプラス1台です。
5→6にしています。
2,自動車の明細は車検証を見て書いて下さい。
3,増減車予定日は5日~10日後にして下さい。
増減車は、事前届になります。5日~10日前には出してから増車というルールですので、予定日は5日~10日後の日付にしておいて下さい。
尚、5日なのか10日なのかは各提出先の運輸局に問合せて下さい。
4.自動車車庫の位置及び収容能力並びに増車後の車庫必要面積
車庫の明細です。
(1)自動車車庫の位置及び収容能力
営業所所属の車庫をすべて書いて下さい。
今回は2か所という設定ですので2か所書いています。
(2)車庫別収容車両明細
黄色の部分に車の台数を入力すると必要面積が算出されます。
(1)で入力した面積に対して何%の面積を占めているかも算出されます。
ただし、普通車の場合2tトラックも10tトラックも普通車なので、面積に差が出ます。
実際の所2tトラックは38㎡もいりません。1mの余裕を見て6m✕2.8mでも1台あたり16.8㎡しか必要ありません。この場合は、車庫の配置図を添付します。
車庫の配置図
下記のような配置図を書いて、所定の面積でも予定車両が入る事を証明します。
手書きでもOKです。CADで書くような厳密さは求められません。
法令遵守の宣誓書
下記の宣誓書を記入します。
この宣誓書が全て「いいえ」でないと、増車が認可になります。
- 前に運送業を経営していて取り消しを受けても、2年後には許可が取れるようになりますが、5年経つまでは増車は認可になります。
- 運送業の違反についても運転免許のように点数制です。これが12点を上回ると増車が認可制になります。
- 一般貨物は定期的に運輸局から巡回指導が来て、法令遵守度合いレベルを判定されます。「E」が最低ランクになり、この判定だと増車が認可制になります。
- 前述しましたが、急激な増車については認可になります。
これらの事が宣誓させられます。認可になると2~3ヶ月は待たされる事になるので、スケジュール的にすごくやりにくくなります。
一番ベストなのは、増車を期に業務の改善を行って、法令遵守等を徹底する事です。
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まとめ
- 増車は車庫に空きがあれば届出でOK
- 一定の条件で届出ではなく認可制になる
- 認可が降りるまでは数ヶ月かかる
- 届出は受理された時点で有効
増車をしたい、車庫を拡大したい、手続きが知りたい、代わりにやって欲しい等の場合は下記のLINEやメールフォームまで「初回無料相談」と書いてお気軽にご連絡下さい。弊所化連絡差し上げます。
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