運送会社を作るために準備を着々と進め、物件や人員の準備が揃うのが見えてきた。
- 人が6人そろった
- 全員の資格も揃った
- 営業所と車庫の目処がついた
- 資金も目処がついた
さあ許可を取ろう!次は申請書を書かなければなりません。
申請書を書くには時間がかかります、1マス1マスに法律の規定があります。資金については方法に沿って計算しなければなりません。
さあ、どうやって書いていけばいいでしょうか。専門の行政書士が申請書の書き方を徹底解説させていただきます。
この記事を最後まで読むと、申請書のどのマスに何を書けばよいかがわかります。
自動車・運送業手続行政書士髙橋です。自動車手続きは大阪・運送業支援は近畿二府四県対応しています。
日本行政書士会連合会 登録番号21260549
大阪府行政書士会所属 会員番号008156
尚、弊所は一般貨物(緑ナンバー)取得手続き代行、申請書代書について、報酬550,000円で行っています。
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準備物が揃っていれば申請書は埋められる
準備物が全て揃えば書類がすべて揃っているはずです、逆に申請書のマスに埋められない所がある場合は、そこが揃っていないという事です。
開業のための条件・準備物について詳しくはコチラ
逆に言うと申請書の空いている部分を見つけて準備物を埋めていくということも出来ます。
では申請書のマスを埋めていこうと思います。
尚、準備物について詳しくは下記の記事もご参照下さい。
一般貨物自動車運送事業の経営許可申請書
ご覧の通り表紙の部分になります。
表紙は名前と連絡先と日付を書く程度になります。受け付けられると控えに判子をくれて返してもらえます。
手元に紙での控えが欲しい場合は運輸局に三部持っていきましょう。1部は本局、1部は支局、もう1部持っていけば自分の手元の控えになります。
事業計画
事業計画とは、下記のようにどこでどんな規模の事業をやるかを書くものになります。
事業種別
- 一般
- 霊きゅう
- 一般廃棄物
- 島しょ
とありますが、一般貨物をやりたい場合は「一般」に丸をつけて下さい。
- 特別積合せ貨物運送
- 貨物自動車利用運送
についても、同時に営業許可申請をすることが出来ますが、今回は割愛させていただきます。
各施設の場所
- 主たる事務所
- 営業所
- 休憩・仮眠施設
- 自動車車庫
住所を記入するだけですので難しいことはありません。
- 主たる事務所:会社の登記簿上の住所
- 営業所:運送業の営業所として別でどこか事務所を借りた(買った)
主たる事務所と営業所が同じ場合は営業所に「主たる事務所に同じ」と書いて省くことも可能です。
- 兵庫県に会社があるけど大阪で運送業をやりたい
- 駐車場用の土地を持っているけど会社から5km~10km離れている
例えば上記のような場合は、会社本社以外に事務所を借りて別で営業所を設置する事が出来ます。
事業用自動車の種別及び種別ごとの数
種別ごとに数を書いて下さい
普通:排気量2000ccを超えるトラック
小型:排気量2000cc以下の貨物バンなど
牽引:トラクター(通称トレーラーヘッド)
被牽引:トレーラー
尚、トレーラーヘッドとトレーラーは1セットで1台とカウントされます。
そして合計で5台ないと許可が通りません。
霊きゅう許可については今回は割愛させていただきます
その他申請者情報
- 資本金
- 決算期
資本金や決算期については、登記簿を見ればわかります。会社を設立した時に決めているはずです。
個人事業で始める場合は空白で構いません。
運行管理体制1枚目
運行管理体制を下記のように決めます。
運行管理体制については2枚組です。まずは下記1枚目を御覧ください。
運行管理体制については、埋めるだけではなく決めなければなりません。
担当役員と運行管理者と整備管理者の選任状況
法人の場合、運送業の運行管理部門と整備部門の役員を決めなければなりません、両方同じ人がやってもいいですし、社長が全部やってもOKです。
運行管理者と整備管理者は、これを書く頃にはもう決まっているはずですので、名前を記入して下さい。
- 常勤役員
- 運行管理者
- 整備管理者
上記ポジションの申請時点での選任状況です。
常勤役員は社長がやってもいいですし、他の役員が担当してもOKです。
運行管理者と整備管理者は確保済なら問題ありませんし、資格をこれから取る場合は「確保予定」でも申請はできます。
どのくらいに取得できるかの見込み日付を書いておいて下さい。尚、取得しないと許可は保留になりますので、必ず審査期間内に資格を取得出来る計画で申請をして下さい。
緑ナンバー取得のための人事の総合的なご相談については、下記LINEで「初回無料相談希望」とご一報下さい。弊所より連絡差し上げます。
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土日や夜間も運行を行う予定の場合は補助者を選任
運行管理者に勤務時間や休日が労基法に違反していない範囲である必要があります。
運行管理者は運行中は営業所か車庫に必ず居なければなりません、土日や夜間も運行する予定の場合、運行管理者は労基法に違反した働き方になります。
その場合は「運行管理者補助者」を選任して下さい。その場合、運行管理者か運行管理者補助者が営業所に居れば運行が可能になります。
運行管理者補助者は「運行管理者基礎講習(全16時間)」を修了すれば選任が出来ます。
運行管理者基礎講習は、自動車事故対策機構(NASVA)やヤマト運輸等でも月1回以上の頻度で開催されています。
その他の運行管理体制
アルコール検知器の配備計画
アルコール検知器は義務化ですので、かならず1台以上配備、営業所以外で点呼をする体制の場合は携行型も必ず配備して下さい。
日常点検計画
自動車の日常点検です。自動車の点検なので、基本車庫でOKです。実施担当は整備管理者か乗車前の運転者かでOKです。
営業所との距離
直線距離でOKです。Googleでも距離測定機能があるので測って書いて下さい。5km~10km以内に収まっている必要があります。
車庫が営業所に併設されていない場合の連絡方法
大概携帯電話になると思います。併設の場合は「対面」と書いて下さい。
運行管理者の点呼は、車庫か営業所どちらかで行う必要があります。
- 車庫では行う場合は運行管理者が車庫に行く手段
- 営業所で行う場合は点呼が終わった後に運転者が車庫まで行く手段
どちらかを書いて下さい。徒歩でも電車でもOKです。大体の所要時間も書いて下さい。
車庫で行う場合は、運行管理者が車庫に待機している時間も書かなければなりません。
運行管理体制2枚目
2枚目は、事故や苦情があったときにどうするかを記入する書面になります。これも埋めるだけではなく決めなけれなりません。
指導教育の計画
- 事故防止に関する指導
- 過積載防止に関する指導
の2項目ありますが、国土交通省告示第1366号で決まっている「法定12項目」に両方含まれます。
月1回1項目でも、3ヶ月に1回3項目でも良いですが、かならず指導教育の機会を設けて下さい。
特定の運転者(事故惹起、初任、高齢)に対する特別な指導及び適性診断の受診の予定の有無
開業時の申請ですので、運転者全員初任診断が必要になります。診断を受けて結果を保存して下さい。尚、65歳以上のドライバーがいる場合は高齢診断も必要です。
事故処理連絡体制
ここについては、運行管理者も社長も決まっていると思いますので埋めるだけです。
許可が下りて運行を始める際、運転者各位に事故があった場合はこのような連絡体制である事を周知して下さい。
運転者を確保する計画
運転者を5名以上確保し、どのような時間で運行するかを決めます。
一般的な9時~17時体制だと上記のようになります。深夜や土日を絡めてのシフト制だと工夫が必要になります。
ここでも、運転者が労基法に反した働き方をしなければならない体制だと許可が下りません。
週40時間以内になるように計画を立てる必要があります。
事業開始に要する資金
資金計画です、すべての書類のキモはこの書類になります。
資金面が一番大変ですので、この書類をなんとか突破させたいが為に色々計画を練る必要があります。
この書類については計算もしなければならないので、一番大変になってきます。
人件費
役員及び従業員の人件費になります。
ここについても労基法の基準を下回ってはいけません。計算方法としては
開業予定地域の最低時給✕8時間✕23日=1人分1ヶ月分の人件費
上記が算出されます。記入例は大阪府の最低時給1,064円で計算されていますので
大阪府最低時給1,064円✕8時間✕23日=195,776円
になっています。正味支払われる給料ではなく、最低ラインを計上してきます。6人分半年分です。
手当や賞与は、書きたければ書いても良いのですが残高証明のハードルが上がるだけなので、特に書かない事をお勧めします。
法定福利費・厚生福利費
人件費に対して社会保険や雇用保険などの福利費、会社負担分をプラスします。
パーセンテージを入れると、人件費に対して自動計算されます。
一般的な社会保険の割合を記入しています、パーセンテージですが/1000ですので、9.15%の場合は91.5と記入する必要があります。
ややこしいので注意が必要です。
人件費に対して大体15%前後追加される形になります。
燃料費
燃料費は計算してくれます。マスに入力すると金額が算出されてきます。
必要なデータは
- 月間走行距離
- 燃費
- ガソリン単価
になります。尚、走行距離は平均的なもので良いですが、5台分の距離の合計になります。
- 2tトラックの1日平均走行距離は180km
- 2tトラックの平均燃費は11km
- 現在のガソリン価格は概ね180円
上記により月間走行距離は下記の計算をしています。
1日平均走行距離180km✕トラック5台✕1月23日=20,700km
遠距離等の運行を考えている場合、4tや10tなどのトラックで燃費が落ちる場合は計算式が変わってきます。
油脂費
燃料費に3%プラスされます。
エンジンオイルやグリスなどの算入とされています。これは燃料費が出れば勝手に出されます。
修繕費
整備工場へ依頼する修理費や、自社で出来る部品の取り替え等にかかる経費を計上します。
外注修繕費
自動車整備工場への修理代として毎月いくら積んでおきます。
今回、15,000円積んでいますが、営業車の走行状況によって上下します。
自家修繕費・部品費
ワイパーやその他の自社でも交換できる部品について毎月いくらかずつ積んでおきます。
5,000円積んでいますが、これも自動車や走行状況によって上下します。
車両費
車両購入やリースの確保にかかる資金を計上します。
購入費
購入する場合はこの欄に書きます。一括購入の場合は全額、分割の場合は頭金+1年間のローン支払額です。
リース料
リースで確保する場合は、1年分のリース料金を計上する必要があります。
今回は2tトラックリース、1台月8万✕5台で計画していますので
月々リース料80,000円✕5台✕12ヶ月=4,800,000円
としています。
施設購入・使用料
営業所・休憩所・車庫を借りる又は買うのにかかる費用を計上します。
一括購入:購入費用全額
分割購入:頭金+1年間のローン額
賃貸:1年分の支払家賃
今回の例に付きましたは
営業所家賃:月10万
駐車場家賃:月30万
家賃合計:月40万
で計算しています。
月々家賃合計40万✕12ヶ月分=480万
で記入しています。
什器・備品費
事務所に設置するデスクパソコン、コピー機等必要機材の経費です。
10万計上しています。
施設賦課税
自動車税・重量税・取得税の合計になります。
別紙で計算した物がここに入ります。
保険料
自賠責保険と任意保険の1年分の支払額の合計です。
これも別紙で計算されたものがここに入ります。任意保険や自賠責保険は、事業用緑ナンバーになると白ナンバーの物より高額になります。
これについては見積書を取って、その価格通りに記入する必要があります。
保険料については2tトラック5台で計画していますので
自賠責保険:17,790円
任意保険:150,000円
で計算していますが、任意保険については見積もりを取得して、その価格通りに書いて下さい。見積書も添付が必要です。
登録免許税
許可が下りた後に必ず支払います。120,000円固定です。
その他経費
光熱費通信費、広告費や印刷代などの諸費です。
ゼロ円計上は出来ませんのでいくらか積んでおく必要があります。
事業用自動車の施設賦課税・保険料
ここで計算した物が前述の表に追加されます。
1台月8万円の2tトラックを5台リースする計画だと上記のようになります。
一応記入していますが、自動車税や重量税はリースの場合リース料金に含まれている場合が多いので、その場合は記入しなくてOKです。
車両総重量や積載量については、車検証やカタログを見て正確な数値を書いて下さい。
資金の調達方法及び調達資金の挙証
資金をどの様に調達してくるかを記入します。
預金金額には銀行にある預金残高の合計を書いて下さい。複数銀行の合計でもOKです。
お金だけで足りない場合は売掛金等も参入できます。証券などがある場合は現金化するのが安全ですが、そのままにして資金に算入させたい場合は運輸局と相談して下さい。
緑ナンバー取得のための資金について開業前よりサポートを受けたい場合、下記LINEで「初回無料相談希望」とご一報下さい。弊所より連絡差し上げます。
LINEでのご相談は無料です
全て入力し終わると合計額が算出される
申請書自体が開業資金の試算表になっています。
ここは入力が終わると金額が自動で合計されてきます。手書きの場合は自力で合計する必要があります。
結構ミニマムにモデル作ったのですが、それでも2,200万を超えています。
一つ前の項目で計算した自己資金額が、これまで埋めてきた費用の合計を超えていれば資金要件はクリアです。
後日残高証明を提出しますが、銀行口座なので多少の上下はあると思います。2回程度提出を求められますが、1度でも合計額を自己資金額が下回れば申請は出し直しです。
資金面についてはかなり厳しいです、救済措置がありませんので必ず上回るようにして、許可まで維持するようにして下さい。
都市計画法に抵触しない宣誓書
名前と住所と日付を書いて宣誓するだけの書類になります
上記の宣誓書は、都市計画法「等」に抵触しないという事になっている書類です。等というのは
- 都市計画法
- 建築基準法
- 農地法
- 消防法
この4本の法律になります。すごく簡単に言うと
- 違法建築ではない
- 建ててはいけない地域に建っていない
- 農地の上に建っていない
- 基準以上の消防設備がある
一般的にオフィスとして貸し出されている所なら問題はありません。
一軒家等を借り切って営業所にしたい場合は「住居専用地域」や「市街化調整区域」でない事を確認してから借りて下さい。
欠格事由に該当していない宣誓書1
貨物運送を開業してはいけない条件に当てはまってないことを宣誓する書類です。
- 過去6ヶ月以内に悪質な交通違反をした
- 過去6ヶ月の間に運送業の役員をやっていた
- その運送業で行政から指導や注意などを受けていた
上記に該当する場合は一度チェックをしたほうがいいです。始めて運送業を開業するという事であればこれには当てはまりません。
貨物自動車運送事業法第5条に抵触していない宣誓書2
貨物自動車運送事業を開業するにあたって該当すると開業できない事項その2です。
これについても日付・住所・名前を書くだけになります。
日付住所名前を書くだけですが、内容を理解していないとまずいので大まかには知っておいて下さい。
貨物自動車運送事業法第5条は長いので要約しますと
- 過去5年以内に禁錮の刑に処せられた、執行猶予が終わっていない
- 過去5年以内に運送業を経営(または役員だった)していて処分を受けた
これらに該当する人は経営することと役員になることは出来ません。ただ従業員にはなることが出来ます。
ただし、従業員になっても「その人が実質支配する体制」にすることは出来ませんのでご注意下さい。
運送業の法令がよくわからない、どんな法律を守ればいいのか等のサポートについては、下記LINEで「初回無料相談希望」とご一報下さい。弊所より連絡差し上げます。
LINEでのご相談は無料です
一般貨物の申請書の書き方がわからない時は
運送業の申請書については、1マス1マス埋めるのに調べたり、時には計算が必要になったりして大変です。
そして申請書を作り終わったら、またはこれと並行して添付書類も集めなければなりません。
添付書類は申請書に書いてある事が本当かどうかを証明する為に添付するものです。
見積書や賃貸借契約書、会社定款や登記簿等を添付することになります。
- 書類の作成や収集が苦手だ
- 誰かにやってほしい
- 自分はどういうふうな形の会社にするかだけ決めたい
- 経営事項だけ決めたい
上記の場合は、弊所にご依頼下さい。
- 書類作成
- 弊所で収集可能な書面の収集
- どんな書類を集めたらいいかのリストアップ
事業者様と2人3脚になりますが、開業まで完全サポートさせていただきます。
開業検討段階でもOKです。まずはメール、LINEお友だち登録、お電話等で「初回無料相談」とご一報下さい、弊所から日程の提案をさせていただきます。
無料相談圏内は近畿二府四県、富山福井石川新潟西部で行っていますが、それ以外の地域でもご相談下さい。
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まとめ
- 一般貨物自動車運送事業を開業するには申請書を書く
- 申請書を埋めるには法律と計算が必要
- 申請書を埋めることで開業条件が揃っているかがわかる
メール、LINE、お電話どれでもご一報下さい
下記メールアドレス、LINE、お電話等に「初回無料相談希望」と明記の上ご一報下さい。弊所よりご予定の確認の連絡をさせていただきます。
電話:06-6995-4313
FAX:06-6995-4316
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