ペットを長距離移動させる方法や、大型のペットを移動させる方法は意外と少ないです。
- 車が無いけど大型ペットを移動させたい
- 普通のタクシーだと乗車拒否される
- 電車には載せられない
- 動物病院につれていきたい
- ドッグランやトリミングに連れていきたい
このような場合どうしたら良いでしょうか、こういった需要のために近年「ペットタクシー」が盛り上がってきています。
ただ、ペットタクシーもタクシーというだけあって「運送業」にカテゴライズされます。無許可では出来ません。
ではどのようにして始めれば良いでしょうか、専門の行政書士が徹底解説させていただきます。
この記事を最後まで読めば、ペットタクシーのルールや始め方が分かります。
自動車・運送業手続行政書士髙橋です。自動車手続きは大阪・運送業支援は近畿二府四県対応しています。
日本行政書士会連合会 登録番号21260549
大阪府行政書士会所属 会員番号008156
ペットタクシーの開業申請代行については¥55,000~で承っています。「初回無料相談」と下記LINE、お電話などでご一報下さい。
ペットタクシーとは貨物運送業である
愛するペットを貨物とは呼びたくないですが、ペットタクシーを始めるための許可は「貨物運送業」が必要です。
貨物運送業は大別して2種類あります。
一般貨物自動車運送事業
大きなトラック等も扱えるが、自動車が5台、運転手5人以上等の高い許可要件が必要。
貨物軽自動車運送事業
軽トラックや軽バン1台で始められる運送業。届出制。開業のハードルが低い。
ペットタクシーにトラックは使われませんが、ハイエースやタウンエースを使いたい場合は一般貨物を取らなくてはなりません。
ただ、ハイエース5台を揃えてペットタクシーをするのは現実的ではありません。
殆どの事業者さんは軽自動車でペットタクシーを行っています、当記事については専ら軽自動車で始めることを前提で解説させて頂きます。
なお、ペットタクシーではない一般的な貨物軽自動車運送事業の開業については下記の記事もご参照下さい。
普通のタクシーではダメなの?
勿論普通のタクシーでも、運転手さんがOKといえば動物を運んでもらうことが出来ます。
タクシーは基本乗車拒否は出来ませんが、ペットを理由に乗車を合法に拒否する事も出来ます。
タクシー関係法は下記のようになっています。
一般乗用旅客自動車運送事業標準運送約款 第4条
当社は、次の各号のいずれかに該当する場合には、運送の引受け又は継続を拒絶することがあります。
(7)旅客が旅客自動車運送事業運輸規則の規定により持込みを禁止された物品を携帯しているとき。↓持込を禁止されている物品
旅客自動車運送事業運輸規則 第五十二条(物品の持込制限)
旅客自動車運送事業者の事業用自動車を利用する旅客は、次に掲げる物品を自動車内に持ち込んではならない。
(中略)
十四、動物(身体障害者補助犬(身体障害者補助犬法(平成十四年法律第四十九号)の身体障害者補助犬をいう。)及びこれと同等の能力を有すると認められる犬並びに愛玩がん用の小動物を除く。)タクシー関係法令より引用
タクシーに持ち込んで良い動物
上記条文を簡単に説明しますと下記のようになります。
お客さんがタクシー持ち込み禁止物を持っている時は乗車を拒否できます。持ち込み禁止物は別の法律に羅列しています。
↓
その中の一つに「動物」が書いてあるので、動物を連れている乗客は拒否しても許されます。
なお、動物の中でも下記のもの以外に限られます。
- 盲導犬、それに準ずる能力を持っている犬
- 愛玩動物
愛玩動物とはキャリーバッグに入るかどうかをボーダーラインとしているタクシーが多いです。小型犬、猫、うさぎなどは入れた状態で持ち込む限りは乗車拒否できません。
中型犬や大型犬などになってくると一般タクシーでは合法的に乗車を拒絶できます。
乗車拒否「することがある」なので、しないことも出来ます。タクシー会社や運転手さん単位でも対応が変わると思われます。
なので、ペットに特化したタクシーが必要になってくるというわけです。
ペットタクシーを始めるための必要資格
ペットタクシーに必要な資格は2つです。
- 第一種運転免許
- 貨物軽自動車運送事業届出
この2つがあればペットタクシーが始められます。
運送業ですが、二種免許までは求められません。
ペットタクシーの開業申請代行については¥55,000~で承っています。「初回無料相談」と下記LINE、お電話などでご一報下さい。
動物を取り扱うための資格は必要ない
動物の知識はあって損はないですが、動物取扱関係の資格や許可はなくても始めることが出来ます。
「動物取扱業」という業種がありますが、下記のような種類があります。
- 販売
- 保管
- 貸出
- 訓練
- 展示
- 競りあっせん
- 譲受飼養
ペットタクシーについてはペットを預かりますが、長期の保管までは想定されていないので、動物取扱業までは求められません。
ちなみにペットホテルまでやりたいとなると、動物取扱業の資格が求められます。
ペットタクシーの届出に必要な設備
ペットタクシーを始める為に必要な設備は下記の通りです。
- 普通免許所持者1名
- 軽自動車1台(リース可)
- 営業所(自宅兼営業所OK)
- 車庫(営業所から半径2km以内)
ペットタクシー向きな自動車
軽自動車は、軽トラックや軽バンでもOKですが、軽乗用車でも始められます。規制緩和で軽乗用車でも貨物運送が出来ます。
ペットタクシー専門として、飼い主の方を乗車させる事を考えて乗り心地を重視すると乗用車が好ましいです。
ペット以外に普通の荷物も運びたい等の場合は、軽バン等で椅子が展開出来て、人も荷物もマックスまで詰めるような物がお勧めです。
軽乗用車と軽バンの違い
軽乗用車と軽バンの違いとしては下記のようになります。
車種にもよりますが、代表的な車種は下記のようになっている事が多いです。
車種 | 最大積載量 |
軽バン | 2名乗車時 350kg 3名乗車時 350kg-1名分の体重 4名乗車時 250kg |
軽乗用車 | 1名乗車時 165kg 2名乗車時 110kg 3名乗車時 55kg 4名乗車時 0kg |
貨物用の軽バンでも後部座席が展開でき、4名乗車できる物も多いです。その場合、最大積載量は250gとなります。
軽乗用車の場合は元々荷物を乗せることを想定されていないので、最大積載量欄には何も書かれていません。
ですが軽貨物運送をやりたい場合の例外として、人を乗せる重さ分だけ荷物を乗せて良いという措置で貨物の運送が出来ます。
決まりでは軽乗用車は4人乗りで、一人55kgで計算されます。運転手1名のみ乗車時はあと3名✕55kg=165kgまで乗せることが出来ます。
もし付き添い飼い主2名乗車する場合、体重55kgを超える大型犬や、多頭で合計55kgを超えるペットは乗せられなくなります。
ペットタクシーのルール
ペットタクシーは前述のように「貨物運送」になります。なのでルールは下記のようになります。
◯ペットだけの乗車
◯ペットとその飼い主の乗車
✕飼い主のみの乗車
本来なら貨物運送は人を乗せてはいけませんが、例外として動物を運送する場合に付添人を乗せる事を求めることができます。
標準貨物軽自動車運送約款 第十四条(動物等の運送)
当店は、動物その他特殊な管理を要する貨物の運送を引き受けたときは、荷送人又は荷受人に対して次に掲げることを請求することがあります。
一、当店において、持込み又は受取の日時を指定すること。
二、当該貨物の運送につき、付添人を付すること。標準貨物軽自動車運送約款より抜粋
付添人を求めないことも出来るので、ペットだけの乗車は可能です。
もしペットに命の危機がある状態の時や、飼い主が居ないとおとなしくならない場合は、タクシー側からペットの付き添いを求めることが出来ます。
ただ、あくまで人間は荷物に対する付添人なので、お金を取ってはいけません。
- ペットを運ぶ分の運賃しか取ってはいけない
- ペットだけを運ぶ時と、付添人も運ぶ時の料金に差があってはいけない
ペットタクシーは、ペットを運ぶ分の料金しかもらってはいけません。
ペットを預かってはいけない時
ペットを運ぶ前に預かりますが、行き先の決まっていないペットは預かってはいけません。
ペットタクシーは運送業ですので、行き先の決まっていないペットは預かれません。預かって預かり料を貰うことも出来ません。
預かってお金を貰う場合は、倉庫業やペットホテルの許可が必要になってきます。
逆に行き先が決まっていて、常識的な範囲での期間の預かりなら預かり料を頂くことができます。
しかし、預かるにしてもペットが快適に過ごせる預かり設備等も整備しなくてはならないので、飼い主さんと応相談になります。
ペットタクシーの細かいルールなどを知りたい場合。「初回無料相談」と下記LINE、お電話などでご一報下さい。
ペットタクシーは営業車を普段使いしても良い
通常、緑ナンバーや黒ナンバーなどのタクシーやトラックは、プライベートに使ってはいけません。
ですが、軽貨物運送の黒ナンバー自動車はプライベートに使うことは妨げないとされています。
上記の通り、乗用車を営業車にする事も出来るので副業として行うことも十分に想定できます。
新しい運送専用の営業車を買わなくてもミニマムで始められます。
例えば「ペットホテルをやっていてその送迎車がある」などの場合は、その送迎車をタクシーにする事も出来ます。
ペットホテル・動物病院送迎車とペットタクシーの違い
送迎付きの病院はペットホテルもありますが、ペットタクシーとの違いは下記になります。
- ホテルや病院の送迎は無料でしか出来ない
- ご自宅とホテル病院の間の行き来しかできない
道中にある軽い寄り道くらいはギリギリセーフですが、基本的にこの2点の間を無料で送迎することしか出来ないです。
例えば「送迎料金」のような名目でなくても、送迎を使う人と使わない人の料金に差を設けてしまうとアウトです。
送迎料金をもらいたいような場合は運送業の届出を行って下さい。届け出をすると自分の施設の送迎以外の場所へ運送も出来るようになります。
ペットタクシーの開業申請代行については¥55,000~で承っています。「初回無料相談」と下記LINE、お電話などでご一報下さい。
ペットタクシーの利用例
下記の利用例が多いと言われています。
- 動物病院に通院
- 旅行
- ドッグランに行きたい
- ペットホテルに預けたい
- 遠距離引越し
病院へ連れて行くのに緊急搬送で命の危機があるような場合は除きますが、通常の通院程度なら飼い主の付き添い無しでも対応する事業者さんもいます。
ほか、飼い主さんが付き添わない場合でのペットホテルへの引き渡しや連れ帰り等も対応する例もあります。
ペットタクシーの相場
タクシーと違い、認可運賃が決まっていないので各社バラバラです。
- 基本料金2,000円~3,000円
- 以降5km1,000円~2,000円
周囲の競合を勘案して運賃を決めましょう。
勿論この料金に加えて、人を乗せた時に+◯◯円とすると運送業法違反になるので注意して下さい。
ペットタクシーはあくまで「貨物運送」ですので、人を乗せてお金をもらう事は出来ません。
ペットタクシーにあるといい車内設備
車内にはペットが快適に過ごせる設備があることが好ましいです。
- ペットの大きさに合わせたケージ
- レンタルできるキャリーバッグ
- バッグやケージを固定できるベルトやストッパー
- 防水シートやタオル
- 消臭除菌スプレー
- 毛を取るための掃除機や粘着コロコロ
上記の設備が必要なことが想定されます。この他にもペットが快適に過ごせるために既存事業者さんは工夫を凝らしています。
いろんな既存事業者さんを参考にされることをお勧めします。
ペットタクシーの需要
ペットタクシーはまだまだこれからの事業になります。
- 事業者自体が少ない
- サービスの知名度が低い
大阪のタウンページには現在6件しかペットタクシー事業者が載っていません。
お客さんが「ペットを運んでもらえるサービスがある」という事を知らない場合が多いです。
なのでこの場合、広報周知活動に力を入れる必要があります。
- ペットショップ
- ペットホテル
- 動物病院
- ペット美容室
など関連事業者に広告周知する事に加え
- ペットOKのマンションアパート
にビラを撒くなどして最終消費者に直接アプローチする事も考えられます。
上記のように、ペットタクシーは自動車も公私共用、1台から始められますので維持費もかなり少なく上がります。
- ペット事業の関連事業として
- 運送業の関連事業として
ペットタクシーご検討してみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでペットタクシー開業手続きがややこしいと思ったら
行政書士オフィスたかはしでは、ペットタクシー開業手続きやその前後のアドバイスも併せて\55,000承っています。
- 事業をしたいけど手続きが面倒だ
- どんな物を準備すれば良いか知りたい
- 始めた後に保管や記録する書類はあるか
上記を徹底サポートさせて頂きます。まずは下記LINEを友だち追加後「初回無料相談」とご一報下さい。
お電話、LINE、ウェブ会議でのご相談対応させていただいております。
ペットタクシーの開業申請代行については¥55,000~で承っています。「初回無料相談」と下記LINE、お電話などでご一報下さい。
メール、LINE、お電話どれでもご一報下さい
下記メールアドレス、LINE、お電話等に「初回無料相談希望」と明記の上ご一報下さい。弊所よりご予定の確認の連絡をさせていただきます。
電話:06-6995-4313
FAX:06-6995-4316
LINEは「友だち追加」をタップ後、ご連絡よろしくお願い申し上げます。
ZOOM等で希望のお客様も、下記メールフォームまでご連絡頂ければ対応させていただきます。
メールは24時間以内に必ず返信、電話に出られない場合は折り返しさせていただきます。(携帯番号からの折り返しになります)