緑ナンバー巡回指導対策、書類と体制を整えろ!

トラック緑ナンバーの許可(一般貨物自動車運送事業許可)を取得すると、定期的に巡回指導が来ます。

巡回指導は貨物運送事業者が法令を遵守しているかどうかを指導しにやってきます。

  • 誰が来るの?
  • どのくらいの頻度で?
  • 結果が悪かったらどうなる?

色々不安があると思いますが、しっかり体制を整えておけば恐れることはありません。

ではどのような体制を整えれば良いでしょうか、専門の行政書士が徹底解説いたします。

この記事を最後まで読むと、巡回指導がどんなもので何を準備すれば良いかがわかります。

行政書士オフィスたかはしでは、巡回指導対策、各種帳票整えサポートまでを44,000円~で行っています。まずは無料相談ご利用下さい。

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巡回指導はトラック協会が行う

巡回指導は各地トラック協会が巡回に来ます。運輸局が来るものではありません。

全国のトラック協会は国土交通大臣から「適正化事業実施機関」として指定を受けています。

トラック協会が主体に行うので、処分などはありません。あくまで「指導」にとどまるものです。トラック協会に処分権限はありません。

巡回指導はどれくらいの頻度で来る?

下記の頻度で行われます。

  • 第一回:許可取得後3ヶ月以内
  • 第二回以降:約3年に一度
  • 結果が悪かった場合:半年後に再度

まず許可取得後、3ヶ月以内に体制が整っているかどうかを巡回指導に来られます。

最初なので、この時にある程度体制を整えておかないと協会や運輸局からマークされるような事も言われます。

最初が肝心なので、帳票や保管書類などをしっかり整えておきたいです。

巡回指導の結果はABCDEの5段階

結果は下記のように判定されます。

A:非常に良い
B:良い
C:標準
D:悪い
E:非常に悪い

C判定以上で問題なしとされます。

点が高くても重要項目を満たせてないと判定1段階下がるなどもあります。(詳細後述)

DE判定の場合のデメリット

DE判定、つまり標準以下の判定になった場合は下記のデメリットがあります。

  • 改善して報告するよう求められる
  • 運輸局に報告が行く
  • 次回の巡回指導が半年後になる
  • 事業の拡大が困難になる

改善して報告するよう求められる

結果が標準以下だと「悪かった」だけでは済まされず「改善して下さい」と求められます。

改善して報告することを求められますので、これを放置しないで必ず改善して報告するようにして下さい。

改善して報告すると、評価が上がります。

DEの場合は運輸支局に報告が行く

標準以下の判定の場合、運輸局に報告が行きます。ことと次第によっては運輸局による調査監査に発展します。

後術しますが、運輸局には処分権限がありますので、結果次第で減点により処分が積み上がります。

次回の巡回指導が半年後になる

結果が悪いと次回が3年後ではなく半年後にもう一度見に来られる事になります。

指導への対応にもリソースを割く事になると思いますので、なるべく良い結果で突破して次回は3年後にしたい所です。

事業の拡大が困難になる

車庫の拡大や、大幅な増車、営業所の増設の場合は認可が必要になります。

通常規模の増減車の場合は届出で良いですが、E判定以下の事業者は増減車すら認可になります。

届出は受理された瞬間に有効ですが、認可については申請を出した後1ヶ月~2ヶ月の審査期間があります。

緑ナンバーの増車の認可手続きについて詳しくはコチラ!

巡回指導でC以上を取りたい場合の対策をご希望の場合は、LINE友だち追加後「緑ナンバー巡回指導無料相談」とご一報頂きましたら、ご訪問やWeb会議、お電話での相談日設定させていただきます。

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巡回指導と監査の違い

下記の違いがあります。

  • 巡回指導はトラック協会が行う、指導にとどまる
  • 監査は運輸局が行い、結果次第で処分に発展

上記の違いがありますが、巡回指導の結果が悪いと監査に発展する場合があります。

  • 巡回指導の結果があまりにも悪い
  • 指導に従わない

上記のような場合は監査になり、監査の結果処分になる可能性があります。

  • 営業車使用停止処分
  • 営業所使用停止処分
  • 許可取り消し処分

運輸局はこれらの権限を持っています、車両が少ない場合、1台使用停止されても大打撃です。

巡回指導は定期で予告をしてから来ますので、きちんと体制を整え、指導された物については必ず改善をするようにしましょう。

Gマークを取得したい場合に影響

安全優良事業所認定(Gマーク認定)を受けたい場合、直近の巡回指導の結果がそのまま認定要件になります。

または認定申請をした後に巡回指導が行われ、その結果がGマーク認定の要件になります。

任意保険や特殊車両通行などのメリットがあり、Gマークの取得を目指したい場合は巡回指導の結果が肝になります。

※安全優良事業所認定(Gマーク)とは

運送業のトラックの背面についている青地に緑の「G」のマークを見たことある方もいるのではないでしょうか。

法令以上に安全に対して設備や帳票、教育などの体制を整えると安全優良事業所に認定され、各種特典が受けられます。

  • 取引先からの信頼が向上(新規を増やしたい)
  • 公共事業の入札があれば有利
  • 自動車保険の割引
  • 違反点数が早く消える 3年→2年
  • IT点呼が可能になる
  • 基準緩和車両の有効期限延長
  • 特殊車両通行許可の有効期間延長 2年→4年
  • 金融機関からの信頼も高まる可能性
  • トラック協会の助成金優遇
  • 特定技能外国人雇用の必須条件

この認定を受けるには、巡回指導でのチェックポイント以上の安全性に対する取り組みを行う必要があります。

更新にも影響があると言われている

2026年より貨物自動車運送事業法が改正され、緑ナンバーは更新許可が必要になります。

従来緑ナンバーは、一度許可を取得すると何かやらかさない限りは無期限に許可が維持できましたが、今後は更新許可の為の要件を整えていく必要があります。

更新許可についての要件は2025年12月時点でまだ発表されていませんが、当然巡回指導の結果が良ければ有利、悪ければ不利になることは間違いないと言われています。

今後の更新許可やGマークを視野に入れ、体制を整えたい場合はLINE友だち追加後「緑ナンバー巡回指導無料相談」とご一報頂きましたら、ご訪問やWeb会議、お電話での相談日設定させていただきます。

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巡回指導のチェックは38項目

下記の表の38項目をチェックされます。

区分重点G指導事項(☆印は霊柩事業者は除外する)
I.事業計画等主たる事務所及び営業所の名称、位置に変更はないか。
営業所に配置する事業用自動車の種別及び数に変更はないか。
自動車車庫の位置及び収容能力に変更はないか。
乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か。
1乗務員の休憩・睡眠施設の保守、管理は適正か。
届出事項に変更はないか。(役員・社員、特定事業者に係る運送の需要者の名称変更等)
自家用貨物自動車の違法な営業類似行為(白トラの利用等)はないか。
名義貸し、事業の貸渡し等はないか。
II.帳票類の整備、報告等1事故記録が適正に記録され、保存されているか。
自動車事故報告書を提出しているか。
1運転者台帳が適正に記入等され、保存されているか。
1車両台帳が整備され、適正に記入等がされているか。
事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか。(本社巡回に限る。)
III.運行管理等1運行管理規程が定められているか。
運行管理者が選任され、届出されているか。
1運行管理者に所定の講習を受けさせているか。
1事業計画に従い、必要な運転者を確保しているか。
3過労防止を配慮した勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩時間、睡眠のための時間が適正に管理されているか。
3過積載による運送を行っていないか。
3点呼の実施及びその記録、保存は適正か。
1乗務等の記録(運転日報)の作成・保存は適正か。
1運行記録計による記録及びその保存・活用は適正か。
1運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正か。
3乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。
2特定の運転者に対して特別な指導を行っているか。
2特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか。
IV.車両管理等1整備管理規程が定められているか。
整備管理者が選任され、届出されているか。
1整備管理者に所定の研修を受けさせているか。
1日常点検基準を作成し、これに基づき点検を適正に行っているか。
3定期点検基準を作成し、これに基づき、適正に点検・整備を行い、点検整備記録簿等が保存されているか。
V.労基法等1就業規則が制定され、届出されているか。
136協定が締結され、届出されているか。
1労働時間、休日労働について違法性はないか。(運転時間を除く)
3所要の健康診断を実施し、その記録・保存が適正にされているか。
VI.法定福利費労災保険・雇用保険に加入しているか。
健康保険・厚生年金保険に加入しているか。
Ⅶ.運輸安全マネジメント2運輸安全マネジメントの実施は適正か。

すべての項目は1点です。点数によって下記のような評価がされます。

  • A評価 35/38(90%以上)
  • B評価 31/38(80%以上)
  • C評価 27/38(70%以上)
  • D評価 23/38(60%以上)
  • E評価 22/38以下(60%未満)

これに加えて「重点項目」となっている9項目を1つ落とす毎に評価が1段階下がります。

点数が高くても、重点項目を4つ以上落とすとD評価以下になりますので注意が必要です。

巡回指導チェック詳細38項目について詳しくはコチラ!

※Gマーク取得の為の加点

前述しましたが、Gマーク取得申請時にも直近の巡回指導の結果が加点要件になります。

Gマークの加点要素は上記表の「G」の欄の点数になります。

上記G点数合計40点のうち「32/40」でGマークの法令遵守点数は突破となります。

霊柩車許可でも巡回指導が来る

霊柩車許可も一般貨物自動車運送事業許可になりますので、例外なく巡回指導が来ます。

霊柩車の巡回指導の場合は上記「霊」の欄のチェックが除外となります。

少し甘めとはなりますが、それでも遵守項目は多岐にわたりますので、注意して体制を整えて下さい。

霊柩車の場合、運送業を専門に行っている事業者さんではない事が多いので、帳票をしっかり整えたい場合、ぜひ専門家にご相談下さい。

霊柩車の運送許可について詳しくはコチラ!

上記38項目のチェックをクリアする体制を整えたい場合、LINE友だち追加後「緑ナンバー巡回指導無料相談」とご一報頂きましたら、ご訪問やWeb会議、お電話での相談日設定させていただきます。

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巡回指導対策に必要な書類

下記の書類が必要です。記録書類以外は、許可を取るにあたって入手しているはずなので、処分していない限りあるはずです。

記録書類はちゃんと記録をしていないと、後から作ることができません。まずは記録体制を作ることが最優先になるかと思います。

許可認可届出書類控え

  • 一般貨物自動車運送事業経営許可申請書
  • 事業計画変更事前認可申請書
  • 事業計画変更認可事前届出書
  • 事業計画変更事後届出書
  • 運行管理選任・解任届
  • 整備管理者選任・解任届
  • 役員変更届出書

上記は許可や認可、届出を運輸局に提出した際に控えをもらえます。

控えについては保管義務があります、加えて次に変更届などをする時には前回の控えがないとどう変更していいかわからないので、必ず保管するようにして下さい。

役所に届け出を出す時に2部~3部持っていくことになりますので、控えを必ずくれます。

保管書類

  • 運行管理規程
  • 整備(車両)管理規程
  • 日常点検基準
  • 定期点検基準
  • 点呼執行要領
  • 運転者台帳
  • 車両台帳
  • 健康診断結果
  • 適性診断受診結果表

規定類はだいたい標準の物が国交省などにありますので、用意して保管しておいて下さい。

運転者台帳は運転者がやめてしまってから3年保存が必要です。

車両については一番入れ替わりが激しいと思いますので、最新の状態にしておいて下さい。

健康診断は年一回義務です。

適性診断は特定の方以外は初回の初任診断のみ保管でOKです。大事故を起こした方、高齢の方については別途適性診断が必要です、受診後結果を保管して下さい。

報告書類

  • 事業報告書
  • 輸送実績報告書
  • 自動車事故報告書

報告書類をちゃんと出していないと減点があります。

輸送実績報告書は4/1~3/31までの実績を5/31までに報告、事業報告書は決算後3ヶ月以内に決算期の事業の報告が必要です。

事故報告については、規定に定められた重大事故について必ず報告を出す事が必要です。当てた擦った程度では事故報告義務は発生しません。

記録書類

  • 点呼記録簿
  • 運転日報
  • 点検整備記録簿(1年間で4件)
  • 事故記録簿
  • 運転者への指導教育計画表・記録簿
  • 運行記録計(タコメーター等)による記録
  • 日常点検表
  • 運行指示書
  • 運行計画及び勤務割当表
  • 定期点検整備実施計画表

上記は日常的に発生、記録していく書類になりますので、後から作ることが非常に困難です。

日々記録を取っていくと後から楽ですので「いつ巡回指導が来ても大丈夫にしたい」と言う場合はまず上記の記録書類を整える事を強くおすすめします。

人事・労務関係

  • 就業規則
  • 36協定書
  • 健保・厚生年金加入台帳
  • 労災・雇用保険加入台帳
  • 出勤簿
  • 乗務実績一覧表(拘束時間管理表)
  • 賃金(給与)台帳

就業規則は10人以上従業員が居れば労基署に届出て判子をもらう必要があります。

社会保険関係は許可が必要な業種である場合必ずチェックを受けます。社会保険事務所や労基署に相談の上で法令通りに加入して下さい。

2024年残業規制問題もあり、労働時間の取締も非常に厳しいです。この体制をいかに作っていくかが肝になります。

各種資格を証する書類

  • 運行管理資格者証
  • 運行管理者講習手帳
  • 運転記録証明書
  • 整備管理者研修手帳
  • 整備管理者資格者証
  • 無事故無違反証明書

上記は、各職務の方個人の物になりますので最新の物をコピーさせてもらって保管して下さい。

運行管理者や整備管理者は定期研修がありますので、忘れずに受けてもらって記録を保存して下さい。

その他書類

  • 登記事項証明書

役員の任期切れや交代などが届出書に反映されているかのチェックを受けます。

役員は長くても10年で任期が切れ、重任登記が必要です。忘れずにやっておいて下さい。

役員や代表の交代も運輸局に届出が必要です。登記事項証明書と運輸局への届出の控が一致している必要があります。

ここまでの書類の抜けのチェックがご希望の場合、LINE友だち追加後「緑ナンバー巡回指導無料相談」とご一報頂きましたら、ご訪問やWeb会議、お電話での相談日設定させていただきます。

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自身だけでは対応が難しい!と思った場合は弊所までお問い合わせ下さい。

巡回指導の書類の整理や指導の対策については、上記のように沢山の書類が必要です。

通常の仕事をしながらこれらを整えるのはかなり大変になります。逆に、一度記録保管体制を作ってしまえば、あとはその通りやるだけで良いので一気に楽になります。

  • 初回の3ヶ月巡回指導の対策をしたい
  • 前回の巡回指導をなんとか乗り切ったけど体制を整えたい
  • 巡回指導で改善報告を言われた

上記の場合、是非行政書士オフィスたかはしまでご相談下さい。

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まとめ

  • 緑ナンバーを取得すると定期的に巡回指導がやってくる
  • 体制と書類を整えておく必要がある
  • 一定以下の評価だと再度巡回がある

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