
都市型ハイヤーの需要が盛り上がってきています。
- インバウンド需要に対応したい
- 非合法タクシーの取り締まりが厳しい
このために「ある程度設備を整えて合法化したい」という事で許可に乗り出す例も少なくないです。
都市型ハイヤーは許可制で、許可のためには必要な設備を整えなければなりません。
フルスペックで用意すると何千万の話になります、ではどのような設備を整えれば良いでしょうか。専門の行政書士が徹底解説します。
この記事を最後まで読むと、都市型ハイヤーの許可を取るのに必要な「設備・施設」がわかります。
なお、都市型ハイヤーの営業許可総合的な事については、下記の時期もご参考下さい。
自動車・運送業手続行政書士髙橋です。自動車手続きは大阪・運送業支援は近畿二府四県対応しています。
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なお、都市型ハイヤーの営業許可総合的な事については、下記の記事もご参考下さい。
都市型ハイヤーに必要な設備
都市型ハイヤーに必要な設備要件は主に4つです。
- 営業車5台~10台
- 車庫
- 営業所
- 休憩所
これらを適切な規模で整える必要があります。
ではどのようなレベルで整えれば適切となるのでしょうか、以下詳細です。
都市型ハイヤーの営業車の条件
当たり前ですが、営業車が必要です。営業車の条件については下記のようになります。
営業車の最低台数
営業車については最低台数が決まっています。
地域によって最低台数が変わるので、下記の表ご参考下さい。
府県 | 交通圏 | 地区(市町村) | 最低車両台数 |
大阪府 | 大阪市域 | 大阪市、豊中市、吹田市、守口市、門真市、東大阪市、八尾市、堺市、池田市と伊丹市は大阪空港の区域のみ | 10台 |
北摂 | 池田市、箕面市、茨木市、高槻市、摂津市、島本町 | 5台 | |
河北 | 枚方市、寝屋川市、交野市、大東市、四條畷市 | 5台 | |
京都府 | 京都市域 | 京都市(右京区の京北地域以外)宇治市、城陽市、八幡市、久御山町、宇治田原町、木津川市 | 10台 |
兵庫県 | 神戸市域 | 神戸市、明石市、芦屋市、西宮市、尼崎市、伊丹市(大阪国際空港の区域を除く)、宝塚市、川西市、猪名川町 | 10台 |
東播磨 | 加古川市、高砂市、三木市、小野市、三田市、加西市、西脇市、加東市、加古郡、多可町 | 5台 | |
姫路・西播磨 | 姫路市、たつの市、赤穂市、相生市、宍粟市、佐用郡赤穂郡、揖保郡、神崎郡 | 5台 |
なお、これ以外の地域については都市型ハイヤーの開業ができません。
許可が下りる自動車の種類
車の種類は「普通乗用車」に限定されます。
✕貨物自動車
✕軽自動車
✕11人乗り以上
✕車いす移動車
上記はダメです。
車検証をチェックして下さい。
用途:乗用
自動車の種別:小型・普通
定員:10人以下
これらを満たす自動車を最低台数以上用意することが必要です。
使用権原を自分が持っている
自分または自分の会社が使うことができる自動車でないと許可が下りません。
- 所有者が自分である
- 所有者がローン・リース会社の場合使用者が自分である
- リースの場合は1年以上リース期限が残っている
所有権原については上記が条件になります。
(3)事業用自動車
申請者が使用権原を有するものであること。(3) 事業用自動車
・ リース車両については、リース契約期間が概ね1年以上であることとし、当該契約に係る契約書の提示又は写しの提出をもって、使用権原を有するものとする。(中略)一般の需要に応じることができない車椅子専用車両等は含めないこととする。
10台以上の地域の特例
大阪市域等の最低台数10台のエリアについては、2つの営業所の合計で10台でも認められます。
- 旭区の営業所5台
- 住之江区の営業所に5台
上記の場合はOKです。各営業所の台数は5台以上でなくてはなりませんので
- 旭区の営業所3台
- 住之江区の営業所7台
上記の場合は認められません。合計10台でも1つの営業所が5台以下にはできません。
営業所を2つにすると、
- 2軒分の営業所・休憩所家賃
- 運行管理者2名
- 整備管理者2名
上記が余分に必要になりますので、コストが上がり、求人も大変になります。
これらを踏まえて有利だと考えた場合はご検討下さい。
都市型ハイヤーの営業所の条件
営業所の条件は下記のようになります。
- 営業区域内にある
- 申請日から1年以上借りている(または自動更新)
- 違法建築ではない
- 狭すぎない
活動の中心となる営業所が必要です。ハイヤーは予約限定ですので、予約を受けて事務処理をする拠点は営業所になります。
最低でも人員は6人~15人程度になると思いますので。これらの人員が使用できる常識的な広さであればOKです。
電気水道通信などが来ている、パソコン、電話、プリンターなどが置いてあるなどの最低限の設備は必要です。
面積要件はありませんが、常識的に考えて狭すぎると不許可になります。事務作業する人数分のデスク、プリンター、電話等を置いて余裕のあるスペースくらいは必要です。
(2)営業所
配置する事業用自動車に係る運行管理及び利用者への営業上の対応を行う事務所であって、次の各事項に適合するものであること。
① 営業区域内にあること。
なお、複数の営業区域を有するものにあっては、それぞれの営業区域内にあること。
② 申請者が、土地、建物について1年以上の使用権原を有するものであること。
③ 建築基準法(昭和25年法律第201号)、都市計画法(昭和43年法律第100号)、消防法(昭和23年法律第186号)、農地法(昭和27年法律第229号)等関係法令の規定に抵触しないものであること。
④ 事業計画を的確に遂行するに足る規模のものであること。
都市型ハイヤーの車庫の条件
都市型ハイヤーの車庫の条件は下記の通りです。
- 営業所と併設(または半径2km以内)
- すべての車両がはみ出さずに置ける
- 水道がある
- 車庫とそれ以外のエリアが分かれている
- 申請日から1年以上借りている
- 建物の場合違法建築ではない
- 接道2m
- 前面道路が狭すぎない
通常の月極駐車場などであれば特に大きく要件から外れることは無いと思います。
特に注意してみるべきは下記です。
- 営業所からの距離
- 出入口2m以上
- 前面道路の広さ
営業所からの距離は直線距離でOKです。物件を見つけたらGoogleマップで図ってみましょう。グーグルで1.9kmでも運輸局の地図で2km超えて不許可の例もありますので、なるべく近場がお勧めです。
出入口狭すぎると許可が下りない場合があります。間口2mの車庫を車幅2mのハイエースが出入りするのは無理があります。
前面道路については下記の計算をしてみて下さい。
(一番車幅が広い車の車幅✕2)+0.5m
車幅1.69mのミニバンなら3.88m
車幅2mのハイエースなら4.5m
これより広い道路なら何も言われず許可が下ります。これより狭い場合は自治体と協議する必要が出てきます。
(5)自動車車庫
① 原則として営業所に併設するものであること。
ただし、併設できない場合は、遠隔点呼が行われる自動車車庫を除き、営業所から直線で2キロメートルの範囲内にあって運行管理をはじめとする管理が十分可能であること。
② 営業所に配置する事業用自動車の全てを確実に収容できるものであること。
③ 原則として他の用途に使用される部分と明確に区画されているものであること。
ただし、自動車車庫を使用しない時間帯において他の用途として使用することができるほか、他の施設の駐車場として供用されている土地を自動車車庫として使用できる。
④ 申請者が、土地、建物について1年以上の使用権原を有するものであること。
⑤ 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
⑥ 事業用自動車の点検、整備及び清掃のための施設が設けられていること。
⑦ 事業用自動車の出入りに支障がない構造であり、前面道路が車両制限令(昭和36年政令第265号)に抵触しないものであること。
なお、前面道路が私道の場合にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ、当該私道に接続する公道が車両制限令に抵触しないものであること。
車庫については条件が多いので、選定する時はくれぐれもお気をつけ下さい。
車庫の選定についての事前相談も承ります。都市型ハイヤーの開業申請代行については¥550,000~で承っています。まずは「初回無料相談」と下記LINE、お電話などでご一報下さい。
水道が必要
車庫を探すのも困難ですが、水道付きの車庫となるとかなり困難になります。
- 車庫に水道がついている
- 営業所に水道と車を整備する停車スペースがある
このような場合は認められます。水道はあるけど、路上に止めないと整備できないような場合はアウトです。
路上に止めて車を洗車や整備するとクレームの原因にもなりますので敷地内に整備スペースが必要です。
複数箇所に分かれていても良い
車庫は一箇所である必要はありません。営業所から2km以内であれば複数箇所でもOKです。
最低台数10台の地域の場合は、10台一箇所に置けるような物件を探すのは困難です。
その場合は、2台や3台で分かれて置く事に問題はありません。
ただし、全ての車庫が2km以内に収まっていて、かつ上記の車庫の条件を全ての車庫が満たしている必要があります。物件は慎重に選んで下さい。
都市型ハイヤーの休憩所の条件
休憩所の条件は下記の通りです。
- 営業所と併設(難しい場合は営業所から2km以内)
- 申請日から1年以上借りている(または自動更新)
- 違法建築でないこと
- ソファなど休憩設備があること
- 狭すぎない
休憩所は、大きめなオフィスを借りて半分や1/3を区切って休憩所にすることもOKです。
高めのパーテーションやアコーディオン、カーテン等で仕切って下さい。
仕切って向こう側が見えなくなる事が条件ですので、パーテーションの高さは170~180cmを目安にして下さい。
120cm程度のパーテーションでは許可が下りなかったことがあります。
面積要件はありませんが、常識的に狭すぎると不許可になります。目安は一人2.5㎡ですが、それより狭くても極端でなければ大丈夫です。
(6)休憩、仮眠又は睡眠のための施設
① 事業計画を的確に遂行するに足る規模を有し、適切な設備を有するものであること。なお、休憩、仮眠又は睡眠のための施設を使用しない時間帯において他の用途として使用することができるほか、他に供用されている施設を休憩、仮眠又は睡眠のための施設として使用できる。
② 他の用途に使用される部分と明確に区画されていること。
③ 事業計画に照らし運転者及び特定自動運行保安員が常時使用することができるものであること。
④ 申請者が、土地、建物について1年以上の使用権原を有するものであること。
⑤ 建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令に抵触しないものであること。
ベッドは必須か
基本的に営業時間9時~5時のような場合はベッドまでは求められません。
深夜営業、24時間営業をしたい場合はベッドが必要になってくると思います。
ドライバーは5名~10名ですが、全員が一度に休める必要はありません。
深夜帯は3名配置、同時に2名程度睡眠を取ることが想定されるという場合は2台あれば十分です。
この辺りは、運行体制によって変わっていますので、希望する運行体制を決めて運輸局と相談するとスムーズです。
都市型ハイヤーの開業申請代行については¥550,000~で承っています。まずは「初回無料相談」と下記LINE、お電話などでご一報下さい。
ここまで読んでどんな施設が必要かわからなかったら
上記4つの必要設備については、細かい条件もありますので、買ったり借りた後に不適合だとわかった場合は経済的損失になります。
- 事前にチェックしながら進めたい
- 運輸局と折衝を代わりにやってほしい
- 他の事業者がどうしているか知りたい
などの事を踏まえて事業を進めていきたい場合は、申請代行前にご依頼いただければ、選定段階から入らせていただきます。
なお、都市型ハイヤー営業許可の施設設備以外の総合的なことについては、下記の記事もご参考下さい。
まとめ
- 都市型ハイヤーには4つの設備が必要
- 地域によって最低台数・必要な車庫の広さが変わる
- 広さの条件はないが狭すぎると不許可になる
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